新東名と東北道の一部区間で試験的に最高速度が110km/hとなることが決定。議論の段階から一歩前進した格好だ。
これまでの経緯と、気になる実施時期、そして実施に向けた課題や懸念は? 最高速110km/h引き上げ運用の要点をチェック!
文:WEBベストカー編集部
写真:NEXCO中日本
新東名と東北道の一部で110km/hを試験運用。実施開始日は未定
警察庁は10月13日、高速道路の最高速度引き上げを試験的に行うと発表。従来、最高速度100km/hで運用していた高速道路の一部区間を、110km/hまで引き上げるというものだ。“最高速度110km/h道路”となるのは
- 1.新東名高速 新静岡IC〜森掛川IC(約50.5km)
- 2.東北自動車道 花巻南IC〜盛岡南IC(約30.6km)
の2区間だ。今回発表されたのは上記のみで、具体的な実施期間や開始日などは明らかにされなかった。
しかし、これだけでも大きな一歩。なぜなら、長年に渡って最高速の引き上げは議論されながら、まったく進展しなかったからだ。
警察庁は今年3月に最高速を120km/hに引き上げる方針を決定
そもそも、最高速引き上げの議論が正式に始まったのは2013年12月。その後、警察庁が主催する検討会で是非が議論され、今年の3月24日に警察庁はようやく「高速道路の一部区間で段階的に最高速度を120km/hまで引き上げる方針」を決めた。
120km/hではなく110km/hで試験運用する背景には、段階的に最高速を引き上げる方針のなかで、まずは110km/hで最高速を上げた場合の効果や安全上のリスクを慎重に検証したいという意図が見てとれる。
さて、長年最高速を引き上げてこなかった警察庁が、重い腰を上げた背景には大きく3つの理由がある。
1つ目は「全線に渡って設計速度120km/hとなっている新東名の開通」。2つ目は「100〜120km/hと100km/h未満で走った際の重大事故発生率に大きな差がなかった」という安全上の理由。
そして、3つ目は「アンケート調査で、ドライバーの約87%が規制速度の引き上げを受け入れるという回答を行った」という利用者の支持だ。
加えて、新東名に関しては静岡県も「最高速140km/h」を要請するなど、自治体側からの引き上げ要請があったことも少なからず影響しているだろう。
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