80歳以上の運転免許は1年で更新すべき 三本和彦の提言

今年3月12日から75歳以上の人が運転免許を更新する際の制度が改正されます。記憶力や判断力などの認知機能が低下した認知症とみられる人について、免許更新の要件が厳しくなるんです。86歳になった私も実際に“認知機能検査”を受けましたが、今回の制度改正のいいところ、悪いところ、身をもって感じたことを書きますよ。
その前にまずはどのように制度が変わったのかをおさらいしましょう。
初出:ベストカー2017年2月26日号 『三本和彦の金口木舌』


「臨時認知機能検査」が新設

改正は、大きく分けて3つあります。

まず、改正前は3年に1度の免許証更新時だけ受けることとされていた認知機能検査については、(信号無視、通行禁止違反、通行区分違反など)18項目の違反行為をした場合、新設された「臨時認知機能検査」を受けなければいけません。

この臨時認知機能検査を受け、認知機能の低下が運転に影響するおそれがあると判断された高齢者は、新設された「臨時高齢者講習」(個別指導1時間と実車指導1時間)を受けなければいけません。

次に改正前と異なり、認知機能検査で第1分類(49点未満)の認知症のおそれがあると判断された人は、臨時適正検査(医師の診断)または医師の診断書を提出することになっています。医師の診断結果が、認知症と判断された場合は運転免許の取り消し・停止の対象となります。

3つ目は運転免許証を更新する際、更新時の認知機能検査の結果によって、受ける講習の内容が変わります。この認知機能検査結果が第1分類の認知症のおそれがある、と判断された場合には臨時適正検査または認知症専門医などによる医師の診断書が必要になります。

75歳以上の高齢運転者で、認知機能検査の結果、第2分類(49点以上76点未満)の認知機能が低下しているおそれがある、と判定された方は、3時間講習を受講することとされました(2時間30分→3時間)。

認知症運転者の運転免許を停止できるのはいいけれど……

ざっと紹介しましたが、みなさんおわかりになりましたか? ちなみに私は2016年12月に認知機能検査を受けて、幸いにも合格。今後3年間、気を付けて運転していきたいと思っています。

更新時の認知機能検査はどのようなテストかいうとボケてないかというテストだね。

認知症機能検査のイラストパターン(出典:警察庁)

まず、現在の年月日、曜日、時間を記載。次に1枚の紙に4つの絵が描かれているものを1分間見て覚え、それを続けて計4枚16個の絵(4分間)を見て覚えます。

その後、一定時間空けるために別の問題(指示された数字に斜線を引いていく)をして、その後、先ほど覚えた16個の絵の名前を回答用紙に書けるだけ書きます。

次の回答用紙には左側にヒントが書かれているのでそれを手がかりに16の絵の名前を書けるだけ書きます。

最後に時計描画です。まず白紙の回答用紙に時計の文字盤を描いて、指示された時刻を示す針を文字盤に描きます。

さて、私のテスト結果ですが第3分類の認知機能低下のおそれなしでした。運動機能は反射、ブレーキが5、ほかは3。認知機能は普通か、ややよい、ただ記憶力は5段階評価で2でした。遠近感のテストがよくなかったので、大型2種は自主返納しました。

今回の改正法のいいところは、違反で認知症の運転者を見つけ、最悪免許証取り消し・停止することができるようにしたことです。

でも、違反しなければ3年間はペーパードライバーであっても免許証はあるわけです。80歳以上は1年ごとに更新するように厳しくしたほうがいいよね。

01三本和彦
1931年生まれ、東京都出身。東京写真大学(現在の東京工芸大学)写真技術科を卒業後、1956年より東京新聞に入社。その後フリーのモータージャーナリストに転身し、ベストカーを始めとするさまざまな自動車雑誌に寄稿、TV番組の司会なども務めた。現在はベストカーで月に1度「金口木舌」の連載を執筆している。

★【金口木舌(きんこうぼくぜつ)】とは…古代中国で官吏が法律などを民衆に示す際に木鐸(ぼくたく。口が金属、舌が木製の鈴)を鳴らしたことから、優れた言論で社会の教えを導く人の例えという意味

 

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