スズキは2026年9月25日、「10年先を見据えた技術戦略2026」を発表した。今回明らかになったのは、単なる電動化戦略ではない。2030年に向けて新車の開発期間を半減させるとともに、開発効率を30%、生産効率を50%向上させるという、クルマづくりそのものの大きな変革だ。さらに、新型ハイブリッドシステム「スーパーエネチャージ」、新開発の直噴ターボエンジン、軽量・安全技術「Sライト」、そして「SDVライト」など、今後のスズキ車を支える新技術も示された。スズキが掲げるキーワードは「丁度いい」。10年先のスズキ車は、いったいどう変わっていくのか?
文:ベストカーWeb編集部/写真:SUZUKI、編集部
【画像ギャラリー】CO2回収スーパーキャリイがコレだ!! 新開発のハイブリッドエンジンや直噴ターボエンジンも大公開!(18枚)画像ギャラリーEV一本ではない! スズキが進める「マルチパスウェイ」
スズキは2024年、地球環境や資源問題への対応を目的とした技術哲学として「エネルギー極少化」を打ち出した。そして2025年には、そこへ「本質価値極大化」という考え方を追加。これらを実現する技術群を「Right × Light Mobile Tech」と位置づけている。
そして2026年、その取り組みをさらに一段進める。大きなポイントとなるのが「マルチパスウェイ」だ。世界を見渡せば、電力事情も充電インフラも燃料事情も地域によって大きく異なる。そこで特定のパワートレインだけに絞るのではなく、それぞれの地域に適した技術を選択するという考え方をさらに加速させる。
原材料価格やエネルギーコストの上昇、環境・安全規制の強化などにも対応しながら、ユーザーにとって過剰でも不足でもない「丁度いい」商品を提供するというのがスズキの基本姿勢だ。
新車開発期間を半分に!! 生産効率は50%向上へ
今回の発表で特に目を引くのが、開発・生産体制そのものの改革だ。スズキは2030年に向け、新車の開発期間を半減させる方針を掲げた。さらに開発効率を30%、生産効率を50%向上させるという。
日産も同様の取り組みを発表しているが、やはり中国車の開発スピードに対抗すべく、スズキも同様のアプローチを発表してきた。そのために進めるのが、設計と生産を同時に進める仕組みや、部署をまたいだ並行開発、デジタル開発の深化、そしてモジュール化のさらなる進化だ。
クルマを開発してから生産方法を考えるのではなく、より早い段階から開発と生産を一体化することで商品化までの時間を短縮する。市場の変化が速くなるなか、「いいクルマを作る」だけではなく「必要なクルマを必要なタイミングで投入する」ことを重視する戦略といえそうだ。
世界のお客様に「丁度いい」を届ける、というスズキのモットーがここに極まることになる。
インドの生産能力は年間400万台規模へ
そしてスズキの世界戦略で、これまで以上に重要になるのがインドだ。技術開発では日本を中核とし、日本で開発した技術を各地域の事情に合わせて最適化する。一方、インドについては世界各地へ商品を供給する生産・輸出拠点として、さらに強化する。
スズキは2030年度以降、インドにおける年間生産能力を約400万台まで引き上げることを目指す。インド市場そのものの成長を取り込むだけでなく、インドをグローバルな供給拠点として活用していく考えだ。
さらにインドでは、2026年8月に3基目となるバイオガスプラントが稼働した。牛糞から生成したバイオガスを燃料として利用し、その過程で発生する副生成物を有機肥料として地域へ還元する。インドですでに広く普及しているCNG車と組み合わせることで、地域内で資源とエネルギーを循環させる仕組みを構築する。
この事業は2026年7月に日本政府とインド政府が合意した「日印CBG(Cooperative Biogas for Growth)イニシアティブ」の一環として進められている。





















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