アルファードにプラド、セレナ…4年たっても8年たっても売れてる10台「そのワケは?」

HONDA シャトル/9月・月販1611台(’15年5月登場)

クールなソリオバンディット

 シャトルは5ナンバーサイズに収まる貴重なワゴンだ。プラットフォームは先代フィットと共通で、燃料タンクを前席の下に搭載するから、荷室の床が低い。しかもシャトルは、フィットに比べて荷室長を約300mm伸ばしたから、積載容量が大きく、広い。

 ボンネットが短く、天井が高いデザインなのでスマートなワゴンらしさは乏しいが、立体駐車場が使えて荷物もタップリ積める。ビジネスを含めて、実用的なワゴンを求めるユーザーの間で、長い期間にわたり人気を得ている。バンの需要にも支えられているわけだ。

【どんなクルマ?】
 希少な国産ワゴンという立ち位置に加え、ハイブリッドもある5ナンバーサイズモデル。粘り腰で売れてます。

【販売現場から分析「炎の男視点」by遠藤徹】
 コンパクトサイズながら室内と荷室の広さがウリ。販売店では低金利の残価設定クレジットの設定などでのキャンペーン効果もあり、買い求めやすさを後押し。リセールバリューの高さも売れる要因。

SUZUKI ソリオ/9月・月販4173台(2015年8月登場)

クールなソリオバンディット
クールなソリオバンディット

 スズキは軽自動車のメーカーという印象が強いが、小型/普通車にも力を入れている。軽自動車の増税などにより、今後の需要が心配されるからだ。今年、国内で売られたスズキ車のうち、17%を小型/普通車が占めた。その登録台数はスバルよりも多い。そしてスズキの小型/普通車のなかで、最も多く売れているのがソリオ。ノアやRAV4と同等の人気ぶりだ。

 好調に売れる理由は、空間効率が優れているからだ。全長は標準ボディが3710mmと短く、全幅はジムニーシエラを下まわる1625mmだ。狭い裏道でも運転しやすい。その一方で全高は1700mmを超えるため車内は広い。加えて内装も上質だ。後席の座り心地は、設計の新しいルーミーよりも優れている。

 つまりソリオは、スペーシアなど軽自動車のスーパーハイトワゴンを上回る広さや実用性と、走りのよさを両立させた。軽自動車から上級移行するユーザーにも好評で、息の長い人気車となっている。

【どんなクルマ?】
 「2列シートミニバン」と言っていい、室内の広さと使い勝手が評判。フルハイブリッドモデルもあり、スズキの登録車では長らくトップを記録中。ガチなライバルのトヨタのタンク/ルーミー連合にめげることなく、好調販売を維持している。

【販売現場から分析「炎の男視点」by遠藤徹】
 スペーシアやワゴンRの上級シフトユーザーが代替え母体になり、好調さを後押し。モデル末期になり、お買い得の特別仕様車設定で販売店では拡販機運が盛り上がっている。それも好調の要因。

DAIHATSU ムーヴキャンバス/9月・月販4996台(’16年9月登場)

 ダイハツの販売店では「スライドドアは欲しいが、タントほどの背の高さは要らない。だから全高が1700mm以下で外観も可愛いムーヴキャンバスが売れているんです」という。

 30歳以下の世代は幼い頃からミニバンに親しんで育った人も多い。〝クルマ選びの基本はスライドドア派〟も多いが、車種の大半は全高が1700mmを超える。1600mm台のムーヴキャンバスは貴重な存在ということで人気も安定。

【どんなクルマ?】
 狙い通りの「女子ウケ路線」がハマリ、登場5年経った今も月に5000台ほど売れる。もちろん男心もくすぐる。

【販売現場から分析「炎の男視点」by遠藤徹】
 あまり背が高くない両側スライドドアの軽というキャラで、丸っこいキュートなデザインがウリ。ゆえに女性層を中心に幅広いユーザー層に浸透中。直接のライバル車が存在しないのも強みだ。

次ページは : DAIHATSU ウェイク/9月・月販1703台(’14年11月登場)

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