■ヒョンデ成長の肝はエンジニア
最後にヒョンデグループをここまでに「出世」させた要素として、私は日本人エンジニアを挙げたい。
日本には悪しき「定年制度」という幼稚園のような人事制度があって、いくら優秀な人材でも60歳に達すると「ハイ、それまでよ~!」だ。
今頃になって日本では定年70歳とか言っているが、問題は窓際に追いやられるのではなくて、自分の才能を正しく評価し、活躍発揮させてくれるどうかなのだ。
こうしたなかで優れたエンジニアは自分を買ってくれる韓国企業へと移っていった。
今から5年くらい前の話。ヒョンデのi30が登場した時に、ある日本の自動車メーカーがテストしたところ、その出来のいいシャシーの設計者がその日本のメーカーの元社員だったことが判明したという笑えないエピソードもある。
ちなみに、ヒョンデがモデル名を「i30」と数字とアルファベットの組み合わせにしたのも、ドイツでは「カローラ」や「シビック」のような名前よりもハイテックなイメージがあるからという理由で選択された決定である。
反対に本国やアメリカでは「エラントラ」というネーミングが与えられているのは、各国の事情にフレキシブルに対応しているからだ。
話が長くなってしまった。ヒョンデの成功には確かな理由がある。
「難関に対して正面からぶつかっていったこと。多くの外国人を柔軟な人事で採用し、正しく高く登用して、国際商品である自動車を完成させていったこと」などがある。
また、最後にもっと後押ししたのはトヨタに次ぐナンバー2が現れなかった日本の自動車業界のダメさ加減なのだ……。
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