■過剰なスペックは不要
冒頭に述べたように現在のドラレコはスペック自体も上がっているし、当時であればワンランク上の商品でなければ搭載されなかった機能が盛り込まれるなど消費者側にとってはありがたい状況になっている。
もちろん他の家電でもそれ自体は当たり前のことだが「VREC-DH300D」から見えてきたのは「何でもかんでも高機能を入れれば良いのではない」という良い意味での割り切りだ。
前振りが長くなったが、現在のドラレコに最低限求められるのは以下の機能だ。
1)GPS内蔵
2)画質はフルHD、画素数は200万画素以上
3)視野角は水平方向110°前後、垂直で60°以上
4)前後録画を考慮して2カメラ(以上)
5)夜間における録画性能を向上させるセンサー類の搭載
この他にも「駐車時における監視機能」も挙げられるが「なるべくなら欲しい」というレベルに今回は抑えておく(理由は後述)。
スペックだけ見ると現在のドラレコには概ね搭載されている機能であることは想像できる。ただ、スペックだけ満たしていても実際の映像の見え方などは商品によって異なるのも事実だ。
メーカーや販売店はその辺をよく理解しており、実機を展示し、実際の動画を見てもらうようにしている。こうすることで、商談も進めやすいし、何よりもユーザーの理解が一番早いからだ。
例えば、2)の画質に関しても過去はフルHD化されるだけで「凄いっ!」という感じだったが、現在は当たり前。より高額なモデルでは家庭用テレビじゃないがより高精細な「4K画質採用!」という商品もある。
しかし、単に画素数だけ増やしてもその分、何倍もきれいに録画されるか、と言えば必ずしもそうでは無い。画素数や解像度が増えればデータを収録するメモリーカードへの負担も増えることになる。
その意味でも200万画素は昨今では最低基準。「VREC-DH300D」の場合は370万画素のWQHD画質。今後はこの周辺の画素数がメインのトレンドになってくると思う。
■本当にこの機能は必要なのか?
高機能型ドラレコをも見ると、搭載するカメラを活用して、前車が発進した際に自車が停まっていると注意を促してくれる「発進遅延警報」や「車線逸脱機能」「衝突注意警報」などいわゆるADAS(先進運転支援システム)的な機能を搭載している商品もある。
しかし、これに関しては最近のクルマであれば、そもそも装着されているケースが多いのでこの機能自体は不要だ。実は筆者のドラレコにもこれらが搭載されていたのだが、衝突注意警報や車線逸脱警報などはオフにした。使っているのは自身の車両に非設定の「発進遅延警報」だけである。
これらに関しては全く設定のない中古車に装着するのであれば、ある程度効果が感じられるが、現実は「プラスα」程度であるので過信は禁物である。何よりもこれらの機能によりドラレコ本体の価格がアップしてしまうことのほうがユーザーにとってはデメリットになる場合もある。
この他にもやたら「大画面」を謳っている商品もあるが、カーナビじゃないんだから、デカければいいというものではない。何よりも運転中に凝視したら危険であることからも自車のフロントウインドウとの大きさを考慮して選ぶべきだろう。
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