従来製品とは全く異なるコンセプトを持つパイオニアの「NP1」は、ドライブレコーダー、カーナビ、車載用Wi-Fiなどの機能を併せ持った製品だ。そのためカメラを持ち、会話によるカーナビ機能を実現するマイクとスピーカーを搭載する。これを生かして、送迎バスの置き去り防止安全装置として機能する特別仕様のNP1が発表された!
文/ベストカーWeb編集部、写真/パイオニア、国土交通省、平野学
■2023年4月より置き去り防止安全装置の設置を義務化
送迎バス内で起きた痛ましい事故を受けて、2023年4月より置き去り防止安全装置の設置が義務化された。移行期間として設置には1年間の猶予があるが、夏場の車内温度による熱中症のリスクを考えると、導入は早い方がいいのも事実だろう。
国土交通省のガイドラインに基づく認定を受けた製品は、2023年4月25日現在40製品あるという。置き去り防止を行う方法には、「降車時確認式」と「自動検知式」、さらにはその両方を兼ね備えた「併用式」の3種類がある。
「降車時確認式」とは、エンジン停止と同時に警報音が鳴り、ドライバーが車内を確認したうえで車両後部に設置されたスイッチで警報音を切るというものだ。
「自動検知式」は、エンジン停止から一定時間経過後にセンサーで車内を確認し、車内に人を発見すると車外に向けて警告音を発するというものだ。「併用式」は上記二つの方法を有する装置となる。
パイオニアは、この「併用式」の機能を搭載した「NP1」特別仕様の出荷を、4月25日に開始した。
■カメラで車内を監視 マイクで車内音をチェック
パイオニアが「ドライビングパートナー」と呼称する「NP1」は、一見するとフロントウインドウに取り付けられた前後カメラ付きのドライブレコーダーのように見える。
しかし、その正体はドライブを支援する複数の機能をもった装置となっている。カメラを使ったドラレコ機能に加え、マイクとスピーカーが搭載されているので、NP1と会話しながら目的地を設定し、音声で案内を行うカーナビ機能を持つ。
さらには、Wi-Fiとインターネット接続機能を搭載するので、車内でスマホやゲームをネットに接続して楽しむこともできる(別途docomoとの契約が必要)。
この高機能を生かしたのが、今回出荷を開始した特別仕様のNP1なのである。マイクで子どもの泣き声や叫び声を感知し、カメラによるAI画像解析で子どもの姿を自動検知する二段構えとなっている。
また、バスの警報音やスマートフォンのSMS通知で、ヒューマンエラーによる点検忘れを抑止するという。設置後は「通信」による自動アップデートで機能の追加や操作性の改善などを行うというのも心強い。
「併用式」は厳格な技術要件と高機能が必要なため、2023年4月25日現在7製品しかないという。今後も送迎の安全を確保するための機器の進化に注目が集まりそうだ。
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