SUVと呼ぶにはなんだか違和感のあるクルマは多い。例えばランドクルーザーやハイラックス、そして輸入車で言えばジープラングラーなどがそれだ。
このようなクルマたちはタフな4WD性能にほれ込んで買う人もいれば、実は「4WDのあるライフスタイル」を手に入れたくて買うライトな層も相当数いたりする。
そんな人たちにとっての悩みの種がタイヤ選び。ゴツゴツしたオフロードライクなタイヤがいいけれど、そうそうオフロードに行かないライト層にとっては無用の長物。
今回はヨコハマタイヤがリリースする、オンもオフも安心で、しかもルックスもかっこいいタイヤを試乗してきました!!
文:ベストカーWeb編集部/写真:ヨコハマタイヤ
■4WDに乗りたいけど”我慢”はしたくない人が多い??
ブロックの大きなタイヤは4WDのスタイリングを引き締めてくれるし、なによりかっこいい。
しかし実際は街乗りが多いライトな4WDオーナーにとっては、音がうるさい、乗り心地は固いなどネガティブ面も少なくない。
いくらスタイリングのためとはいっても……、と実に悩ましいところなのだ。
そんなお悩み解決をしてくれそうなのが、ヨコハマタイヤの「GEOLANDAR X-AT(ジオランダー・エックス・エーティー)」。
今回のGEOLANDAR X-ATもコンセプトはまさしく「日常使いも苦ではないオフロードタイヤ」といったところらしい。
すでに発売されているGEOLANDAR X-CVが舗装路での静粛性を強い重点的に追い求めているのに比べて、X-ATはオフロード性能もある程度担保しているのが特徴となるそうな。
そしてこのX-ATはサイドトレッドが2種類あり、好みの面で履くことができるなどファッション性の追及も見どころだったりする。もちろん回転方向の指定はない。
うーん、ブロックもかっこいいけれど静粛性はどうだろうか。さっそく舗装路での試乗からいこう。
■”ゴォーゴォー”というロードノイズの少なさに度肝を抜かれる
さっそくラングラーにGEOLANDAR X-ATを装着した試乗車に乗って舗装路を走ってみる。
すでにご覧のとおりタイヤのブロックはかなりゴツゴツしている。実際にこんなブロックを見れば舗装路でのロードノイズなんかもちょっと身構えちゃうが……。
担当、愛車ジムニー(JA11)でGEOLANDAR M/T G003を愛用しているが、オフロードでの圧倒的性能と引き換えに舗装路でのロードノイズは一般的なタイヤよりは厳しい。
そして頑丈な構造と引き換えに、路面の凹凸をリアルタイムにドライバーの神経に伝達してくれるような固い乗り味も特徴だ。それでも走破性のためには致し方ない、というのがオフローダーの思い。
しかしファッション性を重視する層にとってそんな我慢はなるべくしたくないはず。正直、担当はGEOLANDAR X-ATのブロックを見た瞬間にマッドテレーンに近い乗り味を想定していたが、結論から言うとこのタイヤはすごく静かで揺れも少ない。
こんなに大きなブロックのタイヤなのになぜ静かなのか不思議になるほど。
元からオフロード志向でステアリングセンターがやや曖昧なセッティングのラングラーだから、直進安定性などをタイヤだけで判断することはできない。しかしそれでもフラつきもほとんど感じず走るタイヤなのは間違いない。
今回舗装路でベストマッチに思えたのがランドクルーザー・プラドだ。ランクルの弟分とはいえ舗装路での使用も充分考えられたハンドリングは直進安定性も元からそこそこ高い。
そこにGEOLANDAR X-ATを履けば「あっ、これいい」と思わず唸るような乗り味になった。静かで快適なのだ。
繰り返しになるが少々のロードノイズは残る。それでも一般的なマッドテレーンタイヤは当然のこと、オールテレーンタイヤと比較してもGEOLANDAR X-ATの静粛性は脅威に思うレベル。
チャイルドシートが必要なお子さんがいても、乗り心地もノイズも含めて不安なく乗れるはずだ。
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