ランクル300の一部改良で自動車盗難は減るのか?
ランドクルーザーに目を移すと、2024年の盗難件数は688件と、2023年の383件から305件も急増していることにも注目。この盗難件数については、300なのか200なのか、70、250なのか個別にデータは出ていないのでわからない。
3月24日、ランクル300の一部改良モデルが発表された。一部改良の内容は、衝突被害軽減ブレーキ機能強化(プリクラッシュセーフティの対自転車運転者)をはじめ、メーターがオプティトロンメーターから12.3インチインフォメーションディスプレイ内蔵TFTカラーメーターの変更(AX、GXグレード:7インチ)、12.3インチコネクテッドナビ対応のディスプレイオーディオをメーカーオプション設定(全グレード標準装備は8インチ)。
そして今回の改良で最も注目したいのは盗難防止機能の拡充だ。アプリの操作で車両の始動をロックでき、車両盗難が多い夜間などクルマを使わない時間帯の始動を禁止する「マイカー始動ロック」をトヨタ車として初採用した。
また指紋認証スタートスイッチと、スマートキー所有者が車両付近にいない場合、スマートエントリー&スタートシステムによるドア開錠、エンジン始動を制限する「スマートキー測距システム」が全グレードに標準設定となった。
ちなみにレクサスLXには「指紋認証システム」、スマート測距システムのほか、マイカー始動ロック(2022年以降モデル)がすでに搭載されている。
はたして新セキュリティシステムが装着されたことによってランドクルーザーの盗難を減らすことはできるのか? ただ、マイカー始動ロックが装備されている2022年以降のレクサスLXについて、盗難されたクルマにマイカー始動ロックが付いていたのかを知る手段がなく、またマイカー始動ロックが付いてたのに盗まれたという情報もないのでなんともいえない……。
最後に任意保険の情報を。盗難は任意保険の車両保険でカバーできるため、レクサスLXは任意保険料も高い。販売店に尋ねると「LXの任意保険料は、加入方法によっても変わるが、1年間に少なくとも20万円程度は掛かる。盗難のリスクが高い車種は、車両保険料も高騰しやすい」と返答された。
そこで任意保険料を決める時のベースになる型式別料率クラスを見ると、現行レクサスLXの車両保険は13、先代型は17だ。型式別料率クラスは、車両のリスク(保険を使う危険性)を17段階に区分するから、先代レクサスLXは車両保険のリスクが最も高く任意保険料も高額になる。
販売店に現行レクサスLXの販売状況を尋ねると「LXは扱える台数に限りがあり、今までレクサスに乗ってきた付き合いのあるお客様に販売している。弊社で初めて購入するお客様はLXを選べない」という。
価格帯も1450万~2100万円に達するため、一般的なクルマではないが、セキュリティを完備しないと所有するのは難しそうだ。盗む技術も進歩しているから、盗難防止装置も常にバージョンアップする必要がある。
警察庁の発表によると令和6年における自動車盗などの重要窃盗犯の検挙率は55.7%。日本損害保険協会の調べによると、盗難車が発見される確率は約24%、実際に手元に戻ってくる確率は約19%と低い。
自動車窃盗は最大「10年以下の懲役」または「50万円以下の罰金」になっているが、現行では万引き罪も自動車窃盗罪も同じ枠組みで窃盗罪が適用される。自動車窃盗犯の量刑をもっと重くするよう厳罰化をしていかないと、自動車盗難は増え続けていくだろう。
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