N-VANの6速MTはまさに隠れた逸品! 商用バンなのに走りが楽しい
最後はホンダのN-VANである。N-VANは2018年に登場した軽商用バンで、N-BOXをベースにしながら荷物の積みやすさや使い勝手を徹底的に追求したモデルだ。
助手席側のセンターピラーをなくした大開口部や、助手席までフラットにできるシートアレンジなど、仕事はもちろんアウトドアでも活躍する機能を備えている。
そんな実用性重視のN-VANだが、実は6速MTを設定しているのが大きな特徴だ。軽商用バンでは珍しい6速MTは、自然吸気エンジン搭載車のGとFUNに設定され、FFと4WDの両方から選べる。
2026年3月20日に発売された一部改良モデルでは、安全装備や利便性が向上。Gの6速MT車はFFが149万8200円、4WDが164万3400円。FUNの6速MT車はFFが190万800円、4WDが204万6000円となる。
N-VANの6速MTは、ホンダの軽ミッドシップスポーツカーS660用をベースに開発されたもの。ただし、ギア比は商用車としての使い勝手を考慮して最適化されている。
荷物を積んだ状態での発進や登坂性能を重視しながら、高速道路では6速を使ってエンジン回転数を抑えられるのが特徴だ。
つまり、低速域での扱いやすさと高速巡航での快適性を両立させているわけだ。もちろん、N-VANはスポーツカーではない。車高の高い商用バンであり、荷物の積載を重視した設計なので、コーナリング性能を競うような走りには向いていない。
それでも、6速MTを自分の意思で操る楽しさは十分に味わえる。特に自然吸気エンジンとの組み合わせは、エンジン回転数に応じた力の出方を感じやすい。速度に合わせてギアを選び、必要に応じてシフトダウンする。そんな基本的な操作を楽しめるのだ。
一方、6速MTを選べるのはGとFUNのみ。ターボ仕様はCVT専用となる。また、アダプティブクルーズコントロールや車線維持支援システムなど、CVT車に限られる運転支援機能もあるため、購入時には確認しておきたい。
荷物を満載して仕事に向かうもよし、休日にはキャンプ道具を積んで出かけるもよし。道具として使い倒せるうえに、MTの操作まで楽しめるのがN-VANの魅力である。
今回紹介した5台に共通するのは、決して速さだけを追求したクルマではないということだ。豪華な装備も大馬力も必要ない。クラッチを踏み、ギアを選び、アクセルを操作する。そんなシンプルな運転が、これほど楽しいことを思い出させてくれる。
高級な料理もいいけれど、たまには素うどんが無性に食べたくなる。クルマだって同じだ。素朴な味わいがある普通のMT車こそ、長く付き合える最高の相棒なのかもしれない。
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