■三菱デリカD:5 2017年11月販売台数1042台
デリカD:5の受け取り方は難しい。1か月の販売台数は900台くらいで、(11月はたまたまリードしたが)平均するとエスティマよりも若干少ない。
ただし今の三菱の販売店は約620店舗だから、エスティマを扱うトヨタ店(約1000店舗)とカローラ店(1300店舗)の合計2300店舗に比べると27%くらいだ。
デリカD:5の売れ筋は、価格が350万円を超えるクリーンディーゼルターボ搭載車になり、1台当たりの粗利も多い。620店舗にとっては効率の高い優秀な商品になっている。
デリカD:5を何台も乗り継ぐファンも多く、今のままでも良いといえるが、発売は2007年だから10年以上を経過した。緊急自動ブレーキも装着されず、このままではユーザーが減ることも心配される。
またデリカD:5を乗り継いでくれる非常に有り難いユーザーに対しても、何も進化させないのは失礼だ。
そこで2018年には比較的規模の大きなマイナーチェンジを実施する可能性が高い。フロントマスクをダイナミックシールドのデザインに改め、機能もクリーンディーゼルターボを主力に刷新する。
デリカD:5のプラットフォームは、アウトランダー、エクリプスクロスと共通だから、最近になって開発されたメカニズムや装備の採用も比較的容易だ。
今は商品力が中途半端だが、マイナーチェンジとはいえ機能が刷新されると、デリカD:5のファンが喜んで乗り換えられる新型車となるだろう。
同じことは、この企画で取り上げたほかの5車種にも当てはまる。国内市場を重視してフルモデルチェンジするのが理想だが、それが無理なら、可能な範囲内の改良を施して欲しい。
それは歴代モデルを購入した顧客に対する礼儀でもあるだろう。多少なりとも新しくなれば、販売店もユーザーに乗り換えを推奨できる。
何もしない不作為が一番ダメだ。たとえ中途半端でも良いから、今後も改良を加え続けて欲しい。景気の良かった時代には、まさかこんな原稿を書くことになるとは、思ってもみなかった。
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