クルマには「前・後進する」「曲がる」「止まる」のための基本的な装備以外にもさまざまな機能や装備がある。ヘッドライトやウインカー、ワイパーなどの装備も乗用車には必須だが、なかには「こんなモノいらない」と言われてしまった機能や装備もある。
今回は、時代の流れなどによって不要判定されてしまった、あるいはされてしまいそうな装備をピックアップして見ていこう。果たして「いらない子」の復権はあるのか?
文/長谷川 敦、写真/マツダ、トヨタ、日産、ポルシェ、ホンダ、スバル、写真AC
【画像ギャラリー】いるか、いらないか賛否両論!? 淘汰される悲しき装備たち(11枚)画像ギャラリーそこまで気を使わないで! 「リバース連動ミラー」
駐車場やガレージ入れる時をはじめ、クルマをバックさせる機会は頻繁にある。そんなバック走行では、自分が振り返ると同時にサイド&室内ミラーも活用する。だが、リバースギヤに入ると、自動的にサイドミラーの角度が変化する機能があるのをご存じだろうか?
一般的にリバース連動ミラーと呼ばれるこの機能は、ミラーが下を向くことによって、駐車場の枠線などを見やすくするというもの。これは便利な機能だと思うかもしれないが、実はこのリバース連動ミラー、必ずしもメリットばかりではない。
そもそもミラーでどこを確認するのかはその時の運転シチュエーションによって違ってくるし、常に下を見たいわけではない。もちろん、コインパーキングでタイヤロックの位置を確認したい時にサイドミラーが下を向いていれば便利だが、それは自身で電動ミラーの角度を調整すれば済むこと。
また、これは意外に多いトラブルだが、リバースギヤからドライブにギヤを戻しても、ミラーの角度が戻らなかったり、あるいはあらぬ方向に向いてしまったりして一般道での走行に支障をきたすこともある。つまり、リバース連動ミラーは少々過保護気味の機能とも言える。
実際には、リバース連動ミラーを便利に思っている人もいるとは思うが、リバース連動ミラーの誤動作よってヒヤッとしてしまった経験もある筆者からすれば、やはりなくてもよい機能だとは感じる。もちろん、不要なら機能をオフにしておけばいいだけの話ではあるが。
喫煙習慣の変化とともに消えてしまうか? 「灰皿&シガーライター」
終日禁煙の飲食店も増え、公共交通機関もほぼすべて禁煙になったことですっかり肩身が狭くなってしまった喫煙。20歳以上であればタバコを吸うこと自体に問題はなく、ましてや自分のクルマの中ではいつでも自由に吸いたい。そう考えている人も多いだろうが、今やそれも簡単な話ではなくなっている?
日本人の喫煙率が最も高かったのは1955~1973年頃の高度経済成長時代と言われていて、ピークだった昭和41年(1966年)が男性で83.7%と、今考えると信じられないほど喫煙者の数が多かった。ほとんどのクルマに灰皿とタバコに火をつけるライターが装備されていたのも、この喫煙者数を考えると納得だ。
しかし、時代が進むにつれて喫煙習慣のある人は減り、さらに喫煙できるエリアも年々減っている。そうなるとクルマに装備されている灰皿は多くの人にとって不要なものになってしまう。
こうして現在は灰皿を標準装備するクルマはほとんどなくなり、車内でタバコを吸いたい人は、オプション設定の灰皿を装着するか、カップホルダーを利用する“後付け”の灰皿を購入しなくてはならない。
シガーライターの場合は少々事情が異なっている。シガーライターソケットは、もちろんライターの保持と発熱させるための装備だったが、同時に電源の供給口としても利用できる。本来の需要が減少していても、スマホやドライブレコーダーの電源に使われるケースは多い。
だが、どうせ電源として使うなら専用のプラグにしてしまったほうが便利なのも事実。実際に最初からUSB端子やAC100V端子を装備したクルマもどんどん増えていて、シガーライター、そしてシガーライターソケットもいずれはなくなってしまう可能性が高いだろう。
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