自然淘汰は必然!? こんなのいらないよね~と言われてしまった悲しき装備たち

日本の夏では過酷さがアップ!? 「サンルーフ」

自然淘汰は必然!? こんなのいらないよね~と言われてしまった悲しき装備たち
天気の良い日にオープンにすれば開放的な気分を満喫できるサンルーフ。満点の星空を見上げることもでき、一時期のデートカーではサンルーフが人気だった

 太陽の光はすべての生物に恵みをもたらす。運転中にそんな陽射しを感じられるのが、ルーフに設けられたウィンドウ、通称サンルーフだ。

 開放的な気分に浸ることができ、換気にも役立つサンルーフだが、陽射しの強い真夏には車内温度が上がりすぎてしまうためシールドする必要があり、重さのあるガラスを使用することから、通常ルーフのクルマよりも車重が増えてしまうというデメリットもある。

 サンルーフを不要と言いきるには若干問題がありそうだが、喫煙率の低下やデートカーの需要減少によって一時期サンルーフ装着車の数が少なくなっていったのは事実だ。

 とはいえ、新型コロナウイルスの流行によって以前よりも換気が重要視されるようになった昨今は、サンルーフに再び注目が集まるようになっているともいう。案外サンルーフの人気再興はあるのかもしれない。

燃費向上効果は微々たるものだった? 「アイドリングストップ」

自然淘汰は必然!? こんなのいらないよね~と言われてしまった悲しき装備たち
停車中にエンジンをカットするアイドリングストップ機構。燃費向上に効果があると言われているものの、デメリットもあって採用を見合わせる車種も多い

 信号待ちなどで停車した際に自動的にエンジンを停止させ、アクセルを踏み込むと再びエンジンが始動して発進できるのがアイドリングストップ機能。

 クルマの燃費アップが期待できるこのアイドリングストップは、市街地走行が主となるユーザーにガソリン代節約という恩恵をもたらした。と言ってもそこまで大きな違いではなく、むしろこれから説明するデメリットによって相殺されてしまう可能性もある。

 頻繁にエンジンのオン・オフを繰り返すアイドリングストップでは、セルモーターを回す12Vバッテリーに大きな負担がかかり、結果的にバッテリー寿命を縮める危険性がある。さらにエンジン停止中にはエアコンも停止してしまうので、夏場に長めの信号待ちをしたり、渋滞にハマっていたりすると車内温度が一気に上昇し、エンジン始動後は車内を冷やすために余計にバッテリー&エンジンに負担をかけてしまう。

 つまり、アイドリングストップによってガソリン代を節約できても、バッテリーの交換サイクルが上がることなどにより、最終的にはお得にならないケースも多い。

 こうした問題を避けることを目的に、アイドリングストップ機能作動中でもエアコン始動時にはエンジンをストップさせない機能が搭載されたモデルもある。だが、これでは本末転倒と言わざるを得ない。

 このような理由から、近年になってアイドリングストップのクルマは減りつつある。ハイブリッドモデルでは停車時にエンジンを止めているが、発進は電動モーターで行い、エンジン始動用電源も強力かつ容量の大きい走行用バッテリーを利用するので負担は少ない。

 思っていたよりもエコではなかったアイドリングストップ。この先、生き残るにはさらなる改良が必要か?

海外基準に合わせて消滅? 「速度警告音」

自然淘汰は必然!? こんなのいらないよね~と言われてしまった悲しき装備たち
法定速度以上になると車内にキンコン音が響き出したのが昭和のクルマ。メーターとにらめっこして、音が鳴らないギリギリの速度で走るテクニックが要求された?

 高速道路を走っていると、いつの間にかクルマから流れてくる「キンコン」という音。一定以上の年代の読者には聞き覚えのあるこの速度警告音は、運転手に速度超過を知らせる機能としてすべての国産車に装備されていた。

 この「すべての国産車」というのがポイントで、実は速度警告音機能が搭載されていたのは日本製のクルマのみで、外国製の乗用車にこうした機能はなかった。

 速度超過=道路交通法違反なのは間違いなく、それを教えてくれる機能は親切とも思えるが、速度規定が国によって異なるのも事実であり、日本から海外へ輸出されるクルマにも搭載されていた速度警告音機能は、外国のユーザーにとってありがた迷惑以外の何ものでもなかった。

 さらに一定のリズムで鳴り続けるキンコン音は、運転者の眠気を誘発してしまうという危険性も指摘されていた。もちろん、この音を聞きたくなければ速度を下げればいいのだが、実際はなかなかそういうワケにもいかなかった。

 このような指摘と自社製品を海外に売りたい自動車メーカーの要望を受けて、速度警告音機能搭載の義務付けは1986年に撤廃された。

 撤廃から30年以上が経過した現在、このキンコン音を知っている人は問答無用でオバサン&オジサン判定されてしまいそうだが、少々懐かしさも感じるのは、やっぱり筆者もオジサンだからだろうか?

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