■ドミニクの愛車は今回もダッジ・チャージャー!!
さて、そこで車である。改めて言うまでもなくカーアクションもてんこ盛り。「いまだに車を使っているのは古い。いまはAIやドローンの時代だ」云々と言われることもあるが、そんなことはお構いなしに各地で車を爆走させる。
ローマではイタリアということもあって、ハン(サン・カン)が自分のテーマカラーであるオレンジ&黒で塗装された1970年代のアルファロメロGTVを走らせ、派手好きなローマン(タイリース・ギブソン)は金色のランボルギーニ ガヤルド。
そしてドムの愛車は当然ダッジ・チャージャーだ。4ドアの2022年モデルに加え、EVのコンセプトカーダッジ・チャージャー・デイトナ・バンシーSRTも登場する。
もうひとつ、凄まじいアクションシーンがダムを舞台にしたもの。ドムと息子が乗った車を2台の巨大なタンクローリーで挟み撃ちにするシーンだが、この車はファンが多い1977年製ダッジ・チャージャーだ。
また、サイファが乗るのはガルウィングドアのデロリアンアルファー5EVのコンセプトカー。新キャラのテスが駆るのは最新の2023年型日産Zそして、ステイサム扮するショウの車は赤いマクラレーン セナ。
ジェイコブが乗るのは1992年型マスタングで、何と音楽を聴くのもカセットデッキというのが嬉しい。ちなみにこの車に対する彼の愛着は、シリーズ9作目『ジェットブレイク』(2021)で語られているので、気になる人はチェックしてほしい。
今回の敵であるダンテはシーンごとに違う車やバイクで登場する。ローマではハーレーダビッドソンのパンアメリカ1250を乗り回し、父親が亡くなった因縁の橋でのアクションにはメタリックパープルに塗装された1966年型インパラSSクーペ。
ダンテ役のモモアはそれぞれの車に合わせてコスチュームや爪の色等にも配慮していて、それが彼のキャラクターの一部になっている。実際の彼はかなりのバイクファンというウワサもある。
そのほかのシーンでは日本車も登場し、ハンが1971年製のダットサン240Zに乗っている。ハンを演じたサン・カンは実際に同車を自らレストアしているので、これはその車なんだと思う。
ほかにもスパイのテズ(ブリー・ラーソン)は、アメリカ製のハイパーカー「ヘネシー・ヴェノム・F5・レボリューション クーペ(2023年型)」で登場。約3億8000万円相当の価値があるという。
さて、本シリーズの最後といえば基本、ドム・ファミリーが集まっての会食なのだが、本作の場合はそれが冒頭に持ってこられている。『10』に続くからであり、その最後は会食どころじゃないからだ。
そして、誰もが本作のラストを観たら「早く次を!」という気持ちになるはずなのだが、残念ながらシリーズ11作の公開日は一応、2025年。あと2年、待たなければいけないようだ。
●解説●
ドミニクたちが政府のために働くきっかけになったブラジル・リオデジャネイロでのエルナン・レイエスの事件。ブラジルの麻薬王だった彼を葬ってしまったドミニクに復讐を誓う男が現われた。彼の息子、ダンテだ。ダンテはドミニクの愛する者を奪おうとし、彼の息子、リトル・ブライアンに目を付ける。
本作の監督はルイ・レテリエ。リュック・ベッソンのプロデュースのもと『トランスポーター』(2002)で長編監督デビューを飾っている。この作品、ジェイソン・ステイサムのカーアクション映画としても知られていて、本シリーズに参入すべくしてした感も強い。
実際、シリーズ8作目『ICE BREAK』(2017)のときの監督のファーストチョイスは彼だったと言われている。11作目もレテリエがメガホンを撮る予定だ。
気になる製作費に関してもさまざまなウワサ話があり、今回の場合は当初、2憶8000万ドルから3憶ドルという予定だったが、結局は3憶4000万ドルになったというもの。いまのレートで日本円に換算すると、およそ465憶円という天文学的数図。この金額、シリーズものでは最高額になるという。
当初は全11作と言われていたシリーズだが、ここにきて12作目の可能性が浮上している。となると、ドム・ファミリーVSダンテの戦いはトリロジーとなって、27年くらいまで続くかもしれない。
ワイルド・スピード/ファイヤーブースト
5月19日(金)全国公開
配給:東宝東和
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