【ピカピカボディ大好き日本】ボディのコーティングは本当に必要なのか?

【ピカピカボディ大好き日本】ボディのコーティングは本当に必要なのか?

 新車購入時のオプションとして『ボディコーティング』というものをよく目にするようになり、実際にディーラーでも勧められる。

 必要ならメーカーが最初からコーティングすればいいものの、基本的には新車購入時のディーラーでのオプションか、車購入後に専門店での施工というパターンとなる。

 実はこのコーティング、価格は高いし、施工した後もけっこう面倒だという噂もよく耳にする。

 このコーティングはクルマをピカピカに乗るには必須項目なのか? いろいろな噂も含め、コーティングについての疑問に諸星陽一氏が答えます。

文:諸星陽一/写真:池之平昌信、平野学、TOYOTA、ベストカー編集部


コーティングは新車購入時にやれば効果は絶大、しかも安上がり

 日本人のクルマに対する気持ちの入れようはハンパじゃない感じがします。

 世界中どこをみてもこんなにキレイなクルマばかりが走っている国はかなり珍しいといえます。もちろん、海外でもキレイなクルマはありますが、ここまで多くのクルマがキレイな状態で走っているのはかなり特異なことだといえるでしょう。

日本のクルマユーザーは諸外国と比べてクルマをきれいに乗りたいという願望が強い。塗料、塗装技術の向上に合わせ、コーティング技術も大きく進化している

 以前に洗車ブームというものがありました。

 それまでは簡単にすませていた洗車をあたかも趣味にするかのように、ボディ、ガラス、ホイール、室内とそれぞれの専用ケミカルを使って徹底的に磨き上げることがまるで普通のことであるかのようになりました。

 しかし、この作業は実はかなりの重労働です。洗車が終わったころには、グッタリしてしまいクルマを運転するのもいやになってしまうという、本末転倒な事態に陥ることになってしまったのです。

洗車が趣味という人も多いが、実際にはかなり体力も必要。クルマがピカピカになるのが生き甲斐という人もいるが、面倒な人にはコーティングは打ってつけ

 ちょうどそんな洗車ブームのころに浸透していったのが「コーティング」という手法です。「コーティング」はその名のとおり、クルマそのものをコートしてボディなどの塗装を守ってしまおうという考え方です。

 さすがにみんな疲れちゃったころに、きれいさが持続する「コーティング」は、大歓迎されて受け入れられることになります。

 塗装の上に皮膜を作り塗装を守るということを定義にするならワックスも「コーティング」の一種としていいでしょう。

 一般的にワックスは1カ月程度のもち、「コーティング」はそれ以上の耐久性をもつものという見方が多いようですが、3カ月以上の持続性を謳うワックスも登場していますので、一概にキッチリとわけることは難しいといえます。

「コーティング」は新車販売時にディーラーから勧められることも多くあります。これは新車時がもっとも「コーティング」の効果が得られるからなのです。

【ガラスコーティングの価格目安】(ディーラー施工)
■軽自動車/5万円~
■コンパクトカー(ヴィッツ、フィットなど)/5万5000円〜
■コンパクトハイト系&小型セダン(シエンタ、グレイスなど)/6万円〜
■中型セダン&小型SUV(プリウス、ヴェゼルなど)/6万5000円〜
■Lクラスセダン(クラウン、アテンザなど)/7万円〜
■ミドルクラスSUV(ハリアー、エクストレイルなど)/7万5000円〜
■Mクラスミニバン(ノア、セレナなど)/8万円〜
■Lクラスミニバン(アルファード、ヴェルファイアなど)/8万5000円
※あくまでも価格は目安です。これよりも高いもの、安いものありますのでご注意ください(ベストカーウェブ調べ)

軽自動車は販売増とともに濃色のボディカラーも増えたことで新車購入時にコーティングを施すユーザーが増加中という。価格が手ごろなのも人気の要因のひとつ
ヴェルファイアのようなLクラスミニバンは、コーティングする面積が広いため価格設定は最も高いクラスとなる。それでも愛車の輝きを保つためコーティングは大人気

「コーティング」の施工は、まずはボディを磨いて艶を出してから行います。ですのでボディがキレイなうちならば傷取りなどの作業が減ります。

 オーナーはキレイなクルマの状態を維持しやすく、業者は作業が楽になるので、新車時にディーラーから勧められることが多いというわけです。そして多くの場合、新車時は作業が楽なので料金も安めに設定されています。

次ページは : コーティングを自動車メーカーがやらないのには理由がある

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