こんなクルマよく売ったな!! 【愛すべき日本の珍車と珍技術】 ヴォルツは2大巨頭が生んだクロスオーバーSUVの先駆け

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■純国産車とはひと味違う独自の世界観を主張

 Vラインを基調とする個性的なフロントグリルとシャープな形状のヘッドランプで構成された顔つきによって純国産モデルと一線を画す独特の雰囲気を漂わせ、ビルトインされた丸型のフォグランプやバンパー下側の凹凸状の造形と相まってスポーティさとワイド感を演出。フロントバンパーからつながるホイールアーチ、樹脂製のクラッディングパネルと17インチの大径タイヤが、SUVらしいアクティブなイメージを表現していた。

 また、ウインドウグラフィックスとルーフレールのコンビネーションがもたらす軽快感がクーペをイメージさせるスタイルは、セダンとかクーペ、ワゴンといった単一ジャンルでは表現し得ないもので、現在のクロスオーバーモデルに通じるものと言えるだろう。

 クロスオーバーSUVとして重要視される実用性の高さについても、高い水準の能力を有している。特に荷室の使い勝手のよさは特筆すべきポイントのひとつだ。6対4分割可倒のリアシートはワンタッチフォールドダウン機構を備えており、荷室を広げたときにはフラットでスペースとなり、乗車人数や積載物に応じたフレキシブルな使い方が可能だ。

 そのうえ、デッキ部分は汚れなどが拭き取りやすい樹脂製で、フロアフックなどを装着できるデッキフロアレールが備わっているので多様な用途に対応できる。また、バックドアには狭い場所でも荷物の出し入れが容易なガラスハッチが備わっている。

 そのほか、大容量の2段式コンソールボックス、脱着式センターマルチボックスや、デッキアンダートレイなど収納スペースも充実している。道具としての能力は、現代のRAV4やエクストレイルといったモデルと比較しても遜色がない。

クラディングパネルと17インチ大径タイヤによって、スポーティさとワイド感を強調したSUVならではの力強さをアピール
クラディングパネルと17インチ大径タイヤによって、スポーティさとワイド感を強調したSUVならではの力強さをアピール

 パワーユニットは吸気バルブタイミングの連続可変に加え、吸・排気バルブのリフト量も制御するVVTL-i技術を導入して190ps/18.4kg-mの動力性能を発揮する1795ccの2ZZ-GE型をZグレードに搭載。

 1794ccの排気量で、低中速での扱いやすさと俊敏な加速を両立した1ZZ-ZE型(FF=132ps/17.3kgm、4WD=125ps/16.4kgm)をSグレードに搭載していた。トランスミッションは全車に電子制御4速ATを設定し、さらにZでは6速MTも選択することができた。

 ハンドリングのよさもセールスポイントで、フロントサスペンションはジオメトリーの最適化を図ったL型アームマクファーソンストラット式。FF車のリアには、トーコレクト機能付トーションビームを備えたイータビームサスペンション、4WD車のリアは、アーム類を最適配置したコンパクトなダブルウィッシュボーンサスペンションを採用していた。

 1775mmの全幅を生かして実現したワイドトレッド、大径ワイドタイヤとの組み合わせによってクロスオーバーSUVらしい優れた操縦性と走行安定性を持ち味としながら、上質な乗り心地が味わえたのだ。

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