【「おせっかい」か「おもてなし」か】先進快適装備の要不要

おせっかいな装備5/もと来た道を自動で戻るBMWの「リバースアシスト」

例えば道に迷って間違えて細い道に入ってしまい、Uターンができす、バックしかできない場合にこのリバースアシストを使うと、来た道をバックで自動で戻ってくれる。そもそもそんなことは1年に1回あるかないかの確率なのに……
例えば道に迷って間違えて細い道に入ってしまい、Uターンができす、バックしかできない場合にこのリバースアシストを使うと、来た道をバックで自動で戻ってくれる。そもそもそんなことは1年に1回あるかないかの確率なのに……

 BMW3シリーズに世界で初めて採用されたリバースアシスト/後退時ステアリングアシスト機能は、35Km/h以下の走行時に、直近50mのドライビングルートを自動的に記録し、必要なときにはこれまでドライブしてきたルートに沿って自動でステアリングを操作しながら後退できる実におもしろい装備。

 ドライバーは、アクセルとステアリング操作を気にする必要がなく、車両の周囲の状況に注意できる。ただし、アクセルとブレーキ操作は自分で行わなければいけない。

 東京都内では狭い道が多く、行き止まりも多い。特にUターンできない道に迷い込んでしまったら、このリバースアシストを使えば、Uターンせずにバックでクルマがもと来た道に戻ってくれるのだから凄い。

 とはいえ、袋小路に迷うことがなければ、いらない、おせっかいな装備といえる。

おもてなし装備1/必要不可欠に近づいた「ブラインドスポットモニター」

走行時には、どうしてもドライバーの死角になるエリアができてしまうもの。ブラインドスポットモニター(BSM)は、ドアミラーでは確認しにくい後側方エリアの車両を検知してドアミラー内のインジケーターが点灯し、ドライバーに警告する機能。トヨタのBSMは隣接する車線の最大約60m後方までモニターしており、死角となるポイントに向かって急接近してくる車両もしっかり検知。他車両の存在をレーダーセンサーが認識している状態でドライバーがウインカーを操作すると、危険な状態にあると判断。ドアミラー内のインジケーターが点滅してドライバーの注意を喚起
走行時には、どうしてもドライバーの死角になるエリアができてしまうもの。ブラインドスポットモニター(BSM)は、ドアミラーでは確認しにくい後側方エリアの車両を検知してドアミラー内のインジケーターが点灯し、ドライバーに警告する機能。トヨタのBSMは隣接する車線の最大約60m後方までモニターしており、死角となるポイントに向かって急接近してくる車両もしっかり検知。他車両の存在をレーダーセンサーが認識している状態でドライバーがウインカーを操作すると、危険な状態にあると判断。ドアミラー内のインジケーターが点滅してドライバーの注意を喚起

 ブラインドスポットモニターは、運転中に気にかける頻度の高さもあって、安全面の「おもてなし」機能として有効なことは多くの人が感じているはず。

 LKAと同様に多くの呼び名があることは、各メーカーで採用が進んでいることの証だ。

 後方から近づいてくる、あるいは側方を走行している車両の存在を教えてくれる、サイドミラーに表示される「▲」印やアイコンなどの表示は、サイドミラーを注意して見ていれば、警告音が加われば充分注意を喚起できるのだが、現実として車両が接近するたびに警報が発せられれば、どうにもうるさく煩わしいから、自ずと表示による警告が基本になる。

 ただし、「あてずっぽう」な急ハンドルまで対応できるとは限らないことを忘れていけない。

おもてなし装備2/クラウン伝統の「電動スウィングレジスター」

クラウンのセンターレジスターには伝統のオートスイング機能を搭載。室内全体にムラなく風を送り、快適な空調環境を実現します。なおスイング機能はスイッチON時のみ作動
クラウンのセンターレジスターには伝統のオートスイング機能を搭載。室内全体にムラなく風を送り、快適な空調環境を実現します。なおスイング機能はスイッチON時のみ作動

 まさに日本メーカーというかトヨタ的なおもてなしの好例そのもの。トヨタが1983年に登場したクラウンから採用した、エアコンのエア吹き出し部に装備され、送風を左右に振り分ける「電動スウィングレジスター」は、室内全体にムラなく風を送り、快適な空調環境を実現すると謳う機能(スイッチON時のみ作動)。

 これを「おせっかい」とは呼びにくいのは、もはや「伝統」の重みというべきだろう。

おもてなし装備3/メルセデスの「マジックボディコントロール」

 「マジックボディコントロール」はSMPC(ステレオマルチパーパスカメラ)で車両前方に路面の凹凸があると検知した場合、即座にサスペンションを制御して車両の上下動を抑え、ボディに伝わる衝撃を低減させる
「マジックボディコントロール」はSMPC(ステレオマルチパーパスカメラ)で車両前方に路面の凹凸があると検知した場合、即座にサスペンションを制御して車両の上下動を抑え、ボディに伝わる衝撃を低減させる

 メルセデスベンツSクラスに採用されている「マジックボディコントロール」は、先進のセンサー技術による「おもてなし」といえる装備だ。

 フロントガラス上部の内側にあるステレオカメラで最大15m前方の路面の詳細な凹凸を検知する「ロードサーフェススキャン」を搭載。

 さまざまなセンサーから得られる情報によって運転状況を把握して、各輪の油圧ユニットに供給されるオイル量を制御する。

 これにより、油圧ユニットに組み込まれたコイルスプリングの作動位置を適正化しつつ、連続可変ダンピング機構とともに理想的な乗り心地を実現する。

 さらに、発進、コーナリング、ブレーキング時などのロールやピッチングを適切に抑制することで、さまざまな状況でフラットな車両姿勢を保つとされ、いわば、電子制御による最高レベルの乗り心地に対する「おもてなし」といえる。

次ページは : おもてなし装備4/音声で動くコネクティビティ「音声認識システム」

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