2019年に『2020年次RJCカー・オブ・ザ・イヤー』と『2019-2020 日本カー・オブ・ザ・イヤー スモールモビリティ部門賞』を受賞した日産「デイズ」/三菱「eKクロス&eKワゴン」。その派生モデルであるスーパーハイトワゴン、日産「デイズルークス」/三菱「eKスペース&eKクロススペース」のフルモデルチェンジ最新情報が届いた!
ホンダ N-BOXを筆頭とするスーパーハイトワゴン=全高1700mm以上の背が高い軽自動車は、軽自動車カテゴリーのなかでも特に人気を誇る。日産、三菱のラインナップのなかでも大人気となっているモデルの新型登場とあって、その注目度は非常に高い。
今回は、販売現場に情報網を持つ流通ジャーナリストの遠藤徹氏が、取材で得た新型に関する最新情報をどこよりも早くお伝えする。
文/遠藤徹
写真・CG/ベストカー編集部
【画像ギャラリー】東京オートサロン2020で登場した三菱eKスペース/eKクロススペースの詳細をチェック!!
■「eKスペース」の車両価格139万9200円から! 先行予約は1月下旬スタート
三菱自動車は2020年2月6日、新型「eKスペース/eKクロススペース」を発表、3月19日から発売開始する。姉妹車である日産の「デイズルークス」の次期型は約1カ月遅れの発表、発売となる。
新型eKスペース/eKクロススペースは、2019年3月28日発表・発売した「eKワゴン/eKクロス」と共通のプラットフォーム&基本コンポーネントを採用した、両側スライドドアのスーパースペースワゴンである。



エクステリアは直線と曲面を融合させた、すっきりしたボディシェルで仕立てている。eKスペースとeKクロススペースのエクステリアデザインの大きな違いはフロントマスクだ。
eKクロススペースは、2019年秋に開催した『第46回東京モーターショー』に参考出品したコンセプトカーのように、「デリカD:5」に似たワイルド感のある顔立ちなのに対して、eKスペースは太い横線グリルメッキと異形2灯式ヘッドランプでおとなしめのすっきりしたオーソドックスなマスクでまとめている。
ボディサイズは全長3395mm、全幅1475mm、全高1780mm、ホイールベース2495mmで従来モデルに比べると全長、全幅が同じで全高が5mm高く、ホイールベースは65mm延長している。これによって同クラス最大の居住空間を実現、使い勝手の向上を図っている。

室内はシート地、内張の質感を上げ、クオリティアップ。ダッシュボードはすっきりしたシンプルなデザインで計器盤は見やすいレイアウトを採用している。自動運転支援の「MI-PILOT(マイパイロット。日産デイズルークスはプロパイロット)」もeKワゴン/eKクロス同様に装備車を設定。また新たにドアパネル下のフロア部分に足を差し入れるとスライドドアが開く、オートドア開閉システムをオプション設定する。

グレード構成はターボの「T」、ノーマルエンジンの上級が「G」、ベースが「M」の3タイプでそれぞれ2WD、4WD、eKスペース、eKクロススペースがあるのでトータルだと12タイプとなる。トランスミッションは全CVTとの組み合わせとなる。車両本体価格は139万9200~199万1000円。ボディカラーはモノトーン8色、2トーン6色、合わせて14色。
すでに1月下旬から先行予約を開始している。首都圏にある某三菱自動車店でeKクロススペース(車両本体価格 185万9000円)に有料色のホワイトパール、フラマット、サイドバイザー、ナンバープレートフレームセット、コーティング、ナビ、ドライブレコーダー、メンテナンスパックなどをつけて弾いて貰うと法定、法定外費用を含めて259万円弱と出た。
発表日までに先行予約すると車両本体、オプションからそれぞれ3万円ずつ、合わせて6万円の値引きをしている。デイズルークスにないタイプの「eKクロススポーツ」をシリーズトータル70%程度を目指し増販攻勢をかける方針である。
■日産「デイズルークス」は1カ月遅れで車名もリニューアル!
日産ブランドの「次期型ルークス」は1カ月後の3月中旬あたりの発表、発売が有力になっている。しかしながら、1月中旬現在では日産販売店筋には、まだ恒例の商品説明会やティザーキャンペーンなどについての通達が届いていない。1年前の新型デイズ/eKワゴン、eKクロスの発表、発売に際してはほぼ同時に実施している。

今回の発売日を分けた背景には何があるのか。同時に実施すると、ブランドパワーやセールスパワーに格差があるので、弱い三菱自動車の方を先行させて、ある程度勢いをつけてから、新型デイズルークスを合流させることで、トータルの販売台数を増やそうとの狙いがあるようだ。
これまで「デイズルークス」のネーミングで販売していたのを、新型では「ルークス」として分離独立させることで、N-BOX、タント、スペーシアのシェア争いに割って入ろうとの構えである。
■販売の現場が語った新型車の期待と動向
●証言1:首都圏三菱自動車販売店営業担当者
新型eKスペース/eKクロススペースについての商品説明会は、2019年12月に開催している。今年に入ってからは販売店向けウェブサイトで情報を流し、専用のパソコンの画面で概略が見られるようになっている。
2020年1月20日にはグレード別の価格が決まり、見積書の作成が可能になっている。eKワゴン/eKクロスよりもマーケットが大きく、販売店の収益率も高いのでおおいに期待している。eKクロススペースは日産ルークスにはない独自のモデルだから、こちらを重点的に売り込んで行きたい。丁度決算セールで新車が売りやすい時期だからタイムリーと捉えている。
●証言2:首都圏日産店営業担当者
次期型デイズルークスの発表、発売は3月中にはあると思うが、今現在メーカーから何の連絡もない。
これまでの例だと、発売1カ月前に商品説明会があり、直後に価格を決定し事前の見積書の作成が可能になる。この状態だと説明会が2020年2月中旬になり、発売は3月末か4月になるかも知れない。
次期型はデイズから「ルークス」が分離して別モデルとなる可能性がある。このほうがわかりやすい。ルークスのほうが60%以上と売れていたので期待度は高い。eKスペースよりも1カ月遅れになるが、あまり気にしていない。