2日、ダカール2023はシーキャンプ~アルウラ間で430kmの競技を行ない、菅原照仁/染宮弘和/望月裕司組が走らせる日野チームスガワラの日野600シリーズは健闘してトラック部門総合12位でゴール。これにより同日までの累積順位も総合12位に浮上した。
初日こそ燃料系のトラブルで出遅れたものの、日野チームスガワラは順調にリカバーしている。
文/トラックマガジン「フルロード」(日野チームスガワラSNSより)、写真/日野チームスガワラ・ASO
ラリーは北部の山間地へ
2日の行程は海岸沿いのシーキャンプからアルウラ。159kmのリエゾン(移動区間)でヤンブ市の東側に移動したあと、430kmのSS(競技区間)がスタート。
大きく蛇行しながら北東のアルウラへ向かうルートで、21年に行なわれたアルウラ~ヤンブの逆行程だが、通過するエリアは異なっていた。
前半は埃の酷いワジ(枯れ川の底)を行く、石の多いツイスティなワダチではじまり、その後は山間部を行くオフロードに……。最後の数キロには砂丘も現れる。長く厳しい、タフな行程だった。
SSゴールはアルウラの郊外で、1kmのリエゾンで空港近くのビバークに到着する。
相次ぐパンクも無事にこの日のゴールへ
日野600シリーズはこのSSを引き続き良いペースを保って走りだした。しかしワジの砂の中には多くの石が隠れており、序盤の35km地点で右後輪をパンク。70km地点で再び右後輪がパンクした。
さらに2回目のタイヤ交換時にはセンターブレーキの効きが甘く、ジャッキアップ中に車両が動いて樹脂製のフェンダーが脱落するトラブルも発生した。
2本のパンクによりスペアタイヤがない状態となった日野600は、慎重な走りでその後の約360kmを走行。幸いその後はタイヤのトラブルは発生せず、無事にゴールした。
3日はサウジアラビア北東部のハイルへ。447kmのSSが予定されている。SS前後のリエゾンも61km+162kmと長く、ダカールらしい長距離行程の始まりとなりそうだ。
チームメンバーのコメント
菅原照仁
今日のステージに我々のトラックのスピードでは、パンクはある程度仕方ないと思います。スペアを使い切った上にパンクしているトラックも見られました。昨日今日とまずまず順調なペースで走れています。まだ本格的な砂丘が出てくる場面ではないので、ここで無理をせず、後半戦の難所に備えたいと考えています。
染宮弘和
今日のステージは堅い路面で振動が酷く、ナビゲーション用のGPSがパネルから外れ、ニュートラルゾーンまで片手で抑えながらナビをする場面がありました。ナビとしては最後の砂丘に到達したのが日没後だったので、慎重にロードブックをフォローしながら走ってきました。
望月裕司
キャパシタの温度が少々上がったことはありましたが、ハイブリッドそのものは今日のステージでは快調に機能したようです。振動の影響は必ずあるので各部の増し締めをお願いしました。