国産LLサイズミニバン市場を独占しているのが、トヨタ「アルファード/ヴェルファイア」だ。
元々このマーケットを開拓したのは、1997年に登場した日産「エルグランド」だったが、2002年に登場したトヨタ「初代アルファード」が台頭。燃費性能に優れたハイブリッド車までラインナップされ、エルグランドはキングオブミニバンの座をアルファードに明け渡すことになった。
そして、2008年に登場した2代目アルファードはトヨペット店専売となり、兄弟車としてネッツ店向けに「ヴェルファイア」が登場。上下に分割された薄いヘッドライトと大きなグリルによる押し出し感と圧倒的な存在感によってヴェルファイアはアルファードを上回るヒットモデルとなり、国産LLサイズミニバン市場を独占した。
そして、現行型アルファード/ヴェルファイアは2015年1月に登場。LLサイズミニバンという枠を超えて、新時代の高級車として開発された。その人気振りはもはや日本国内に留まらず、アジア圏にまで及び、東南アジアでは車両本体価格1000万円を超える超高級車として大人気となっているのだ。
そこで今回は新車だけでなく、中古車でも圧倒的な人気を誇るトヨタ「アルファード/ヴェルファイア」の中古車事情について紹介したい。
文/萩原文博
写真/編集部、TOYOTA
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■”キングオブミニバン”の座を盤石にする着実な進化
現行型アルファード/ヴェルファイアは、2015年1月に登場。開発テーマは「大空間高級サルーン」で、新時代の高級車として開発された。
シャシーから一新され、リアにはダブルウィッシュボーン式サスペンションを採用し、乗り心地にこだわった。また、高張力鋼板の採用範囲の拡大をはじめ構造用接着剤を積極的に導入し、ボディの強度そして剛性を上げつつ、軽量化を両立させたのだ。
搭載されるパワートレインは2.5L 直4エンジン+CVT、3.5L V6エンジン+6速ATそして、2.5L 直4エンジン+モーターのハイブリッドシステムの3種類を用意している。2017年12月にマイナーチェンジを行った。内外装の変更に加えて、安全装備、グレード体系の充実を図った。
変更のポイントは3.5L V6エンジンに組み合わされるATが6速から8速へと多段化されたこと。超豪華仕様の「エグゼクティブラウンジ」がエアロ系グレードとハイブリッド車にも追加されたことだ。
そして、運転支援システムが第2世代と呼ばれる「トヨタセーフティセンス」へ進化したことだ。従来から採用しているミリ波レーダーに加えて、単眼カメラを搭載。
2つのデバイスによって高精度な検知能力を実現し、全車速追従機能付レーダークルーズコントロールには、車線中央をキープして走行できるようにレーントレーシングアシストアシストを初採用。さらに、衝突被害軽減ブレーキのプリクラッシュセーフティは昼夜の歩行者だけでなく、昼間の自転車運転者も検出できるようになった。
2018年10月、2019年12月と一部改良が行われ、2018年はインテリジェントクリアランスソナーが全車標準装備となり、2019年はエグゼクティブラウンジを除くグレードに9インチのディスプレイオーディオと車載通信機DCMが標準装備となり、スマートフォンとの連携、コネクティビティ機能が強化されている。また、このタイミングでアルファードはトヨペット店とトヨタ店、ヴェルファイアはカローラ店とネッツ店での併売となったのだ。
現行型アルファード/ヴェルファイアはデビュー当初は先代を受け継ぎ、アルファードより、ヴェルファイアのほうが人気だった。
2016年の年間販売台数は、ヴェルファイアの4万8982台に対してアルファードは3万7069台だった。2017年6月あたりから両車の販売台数が接近し、2017年はヴェルファイア 4万6399台に対してアルファードは4万2281台と肉薄。
そして2017年12月のマイナーチェンジで人気は逆転し、アルファードは5万8806台に対して、ヴェルファイアは4万313台となった。また最新の2020年3月の販売台数でもアルファード 7885台に対して、ヴェルファイアは2719台でマイナーチェンジ後はアルファードが圧倒的な人気を誇っている。その人気は中古車にも大きく影響を及ぼしているのだ。
それでは、最新の中古車事情を見てみよう。
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