■高騰しているエボリューションモデルの状況は?
―2.5-16のエボリューションモデルは海外のオークションでかなり高騰していて、1989年のエボリューション(エボI)で1000万円以上、1990年のエボリューションII(エボII)だと2500万円くらいが相場価格ですよね。エボIIに25年以上お乗りのオーナーとして、現在の相場はどのようにお考えですか?
郡司さん―現在の相場はバブルの時のように高価でも購入したい方がいるのでしょうがないかと思います。ですが、欲しい人が買えなくなってしまったのは残念です。昔は気軽に買えたので、サーキットなどでガンガン走っている方もいらっしゃいましたが、最近はそういう使いかたをする方が少なくなりましたね。
―最近、エボI・エボIIの売買情報などはありましたか?
郡司さん―最後に売ったのは5年前です。3台しかないといわれているディーラー車のエボIの1台でした。エボIは乗り尽くされてしまったものが多くて程度の良い車両を探すのが難しい状況です。
―参考までに、エボIとエボIIに固有の注意点というか、メンテナンスポイントなどがあれば教えてください。
郡司さん―エボリューションモデルにはハイドロを使った車高調整装置があって車高を3段階に調整できます。路面状況の良い道路ではローポジションでも走行できますが、路面からの突き上げが多いとフロントのシールからオイルが漏れやすくなります。あと、前後2段階に調節できるフロントのリップスポイラーを引き出した状態で走行すると、路面に擦れやすくなります。
特にスロープや段差では破損する可能性があるので、あらかじめ車高をハイポジションにする必要があります。その場合も、スイッチを押してから車高が上がり切るまでに時間がかかるので、すぐに走行しないようにしてください。
■W124以上に手間をかけて製造されたAMG 190E 3.2
―ちなみに郡司さんが所有されているAMG 190E 3.2は、ある意味、エボI・エボII以上のレアモデルですよね。このモデルについて簡単に教えてください。
郡司さん―AMG 190E 3.2は、190E 2.6をベースに6気筒エンジンの排気量を3.2リッターに拡大し、234馬力を発生させるAMGのコンプリートカーです。
トランスミッションは、通常の190E 2.6には使われていない300E用を使用しています。W124のAMG 300E 3.2より手間がかかっているため、車両価格はAMG 300E 3.2と同等でした。そのため、日本では10数台しか売れなかったといわれるモデルです。
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「グンオートトレード」の顧客には、昔憧れていたものの当時は買えず、今改めてW201との生活を楽しんでいる方が多いとか。生産終了から30年あまり経過したものの、いまだにファーストカーとして使える実用性があるという。
小型車としては空前絶後の造り込みを実現した、W201ことメルセデス・ベンツ190クラス。アナログ時代に造られた究極のコンパクトセダンとして、再び評価される時期に来ているのかもしれない。
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