■インプレッサWRX STIバージョンIV 中古車価格=約200万~300万円
ランエボIVのトミー・マキネンが2回目のドライバーズタイトルを獲得した1997年も、そしてその前の1996年も、インプレッサは決して惰眠をむさぼっていたわけではない。
1997年シーズンにおける三菱のマキネンとスバルのマクレーのポイント差はわずか1ポイントでしかなく、マニュファクチャラーズタイトルも、1996年と1997年シーズンは三菱ではなくスバルが獲得している。要するに大激戦だったのである。
そしておおむねこの頃に発売されたインプレッサが、1996年9月発売のWRX STIバージョンIIIと、1997年9月発売のWRX STIバージョンIVだ。
バージョンIIIはベース車のマイナーチェンジに合わせてエクステリアを変更し、メタルガスケットや鍛造モリブデンコートピストン等々を採用したEJ20エンジンの最高出力は280ps。バージョンIVは最高出力こそ280psと変更なしだったが、最大トルクは微妙に増大している。
中古車価格は、WRX STIバージョンIIIは流通量がきわめて少ないため不詳だが、バージョンIVはいちおう4台が流通しており、プライスは200万~300万円ほど。
WRCにおける3年連続チャンピオン獲得を記念して1998年1月に発売された限定モデル「WRX TypeRA STIバージョンIV V-Limited」は230万~550万円といったところだ。これも、走行距離ひとケタkmの物件には500万円以上の値札が付いている。
1997年シーズンから、WRCは「グループA」よりも改造範囲が広い「WRカー規定」を導入。スバルは当然、これに合わせて2ドアボディの「Impreza World Rally Car 97」を投入した。
■ランエボV、VI、VIトミー・マキネンエディション 最高価格はトミー・マキネンエディションの約800万円!
だが三菱は「あくまでも市販車に近いグループA車両で戦う」という姿勢を崩さなかった。
そして1998年途中に投入された「ランサーエボリューションV」は、改造範囲が広いWRカーたちを次々と粉砕。終盤戦の3連勝を含む計4勝を挙げ、トミ・マキネンのドライバーズ3連覇に加え、三菱に初のマニュファクチャラーズタイトルをもたらしたのだ。
さらに翌1999年シーズンはフォード フォーカスWRCやプジョー206WRCといった、小ぶりで運動性能的に有利なコンパクトハッチバック勢を相手に、正常進化した「ランサーエボリューションVI」で対抗した。
ランエボVIは、それまでは前輪側のみだった電磁式アクティブデフを後輪側にも搭載して「4輪フルアクティブ制御」を実現。これにより、大混戦ではあったがトミー・マキネンが「4年連続ドライバーズタイトル獲得」という快挙を成し遂げたのだった。
この頃の「ランエボ市販バージョン」の、現在の中古車相場はおおむね下記のとおりである。
●ランサーエボリューションV:200万~400万円(※走行3万km台で約700万円という個体もごく少数存在)
●ランサーエボリューションVI:230万~430万円(※500万円超または700万円超の低走行物件もごく少数存在)
●ランサーエボリューションVI トミー・マキネンエディション:400万~800万円
上記の「エボリューションVI トミー・マキネンエディション」は、トミ・マキネンの4年連続ドライバーズチャンピオン獲得を記念して作られた、2000年1月発売の特別仕様車。通常のランエボVIより10mmダウンさせたターマック仕様サスペンションなどを採用し、巷では「ランエボ6.5」と呼ばれている大人気モデルだ。
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