たとえば現在ならSUVは世界的なブームだし、比較的新しい流れとしては新世代クーペタイプの潮流も起こっている。
いつの時代にも、クルマ界にはそうしたなにかしらのブーム、潮流があり、それが自動車産業の発展を下支えしてきたと言っても過言ではない。
この企画は、そうしたいくつものブームの「開祖」的なクルマを探仕出してみるというものだ。
2名の自動車史に詳しい評論家が選出した「開祖候補」カーについて、編集部が「それならコッチなんじゃねーの?」と思ったほうに投票。投票数の多いほうが真の「開祖王」として認定される、という流れだ。
現在のクルマ界で幅を利かせているブーム。その「始まり」探しの旅にご案内!
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※本稿は2020年9月のものです
選出・文/片岡英明、鈴木直也、写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』 2020年10月26日号
■Part01 プレミアムSUVの“開祖”は誰だ?
●乗って快適、所持して自慢。それがプレミアム
悪路だけ走ってればよかった時代は終わり、舗装路での快適性&ステータスまで求められるようになった現在のSUV。そんなしゃらくさい流れを生み出してしまった最初の一台はなんなのか?
●片岡英明の見解 → 三菱 2代目パジェロ
乗用車ベースのクロスオーバーSUVが登場する前にプレミアムSUVの世界を提案したのが1991年に登場した第2世代のパジェロだ。自慢の高い走破性に加え、4ドアのロングボディは快適性も大きく向上させている。
副変速機付き4WDは電子制御デフロック付きのスーパーセレクト4WDに進化し、高速走行も余裕でこなす。エンジンもディーゼルターボだけでなく上質なパワーフィールのV6エンジンを設定した。上級グレードは本革シートを採用し、贅沢さも格別。
●鈴木直也の見解 → トヨタ 初代ハリアー
その昔、SUVがまだRVと呼ばれていた頃、初めて全国的なブームを起こしたクルマがパジェロだった。ただ、パジェロはそもそも本格クロカン4WDだから、都会派ユーザーには過剰にヘビーデューティ。ブームが一巡すると、もっとオシャレでライトなSUVが望まれるようになる。
そのニーズをうまくキャッチアップしたのが、1997年デビューの初代ハリアー。このクルマ以降、乗り心地と居住性に優れたセダンベースのプレミアムSUVの天下となったわけでございます。
●ベストカーで「決」を採ると…2代目パジェロ:1票 vs 初代ハリアー:6票
部内で唯一パジェロに票を入れたイイジマは「2代目パジェロ、もしくはランクル80しかないっしょ!」と力説。が、賛同されず…。
■結論:初代ハリアーこそ開祖!!!
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