政府(主に経済産業省を主体とする各省庁)が2035年、東京都が2030年に純ガソリン車の新車販売を禁止し、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)、ハイブリッド車(HV)、燃料電池車(FCV)などの電動車にする方向で調整する方針を明らかにした。
この政策決定は、菅義偉内閣総理大臣が2020年10月26日に行った施政方針演説で「2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルの実現を目指す」方針表明を受けたものだ。
この電動化方針には、軽自動車も含まれることが明らかになっているが、気になるのはあまり言及されてないLPG(Liquefied Petroleum Gas:液化石油ガス)を使って走っているタクシー。最近ではトヨタジャパンタクシーが大幅に増えているのを肌で感じる。
そこで、改めてタクシーにはどのような車両が使われているのか、タクシーの現状を解説するとともに、今後LPGタクシーはどうなるのかを探ってみた。
文/岩尾信哉
写真/トヨタ 日本交通 MK 日の丸交通
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「2050年カーボンニュートラル」はLPGタクシーには逆風?
まずは政府が掲げる「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン政策」として、各省庁と連携して進めている経済産業省製造産業局・自動車課に、LPG車両、特にタクシーへの対応、具体的にはタクシーを含むLPG車(ハイブリッド車を含む)の今後の扱いについて訊ねてみた。
トラックや商用車、タクシーなどの扱いについては現時点で明確ではないにしろ、タクシーに関しては、定義として乗用車に含まれるので、EV、PHEV、FCV、HVとして電動化政策の対象となるようだ。
経産省では乗用車に比べて排ガス量が多いトラックなどの商用車などを含めて、電動化の施策を決定する時期について2021年夏までに明確に示す方針。
「各業界と調整しながら細部にわたって改定を進める」(同課担当者)とのことで、おそらくLPG車とハイブリッドの関連性など、タクシーを含めた商用車の扱いについては複雑さが伴うために、慎重に事を進めていく方針であると推測される。
国土交通省も前記の電動化された次世代自動車について、トラック・バス・タクシー事業用車両の導入支援等を実施していくとしている。
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