「まじめ まじめ まじめ COLT」という宣伝文句のとおり、車作りも質実剛健! 三菱はミラージュを復活させ、なぜ佳作「コルト」をやめてしまった?
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今は以前に比べてクルマの価格が全般的に高まり、コンパクトカーの販売比率が従来以上に増えた。2000年代中盤頃のコンパクトカー比率は小型/普通乗用車の約30%だったが、今は40%に達する。
そして2020年には、ヤリス、フィット、ノート、ソリオという具合に、新型コンパクトカーが豊富に登場した。衝突被害軽減ブレーキや運転支援機能も刷新され、各車とも売れ行きは好調だ。
そのなかでいまひとつ伸び悩むのが三菱 ミラージュ。2020年の登録台数は、コロナ禍の影響を受けたとはいえ、月平均で185台に留まった。ヤリスは1万台少々(SUVのヤリスクロスを除く)に達してフィットも8000台を超えたから、ミラージュは圧倒的に少ない。
文/渡辺陽一郎 写真/MITSUBISHI
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SUV推しのブランドイメージに合わず? 苦戦するミラージュ
ミラージュは、2020年4月に比較的規模の大きなマイナーチェンジを実施して、フロントマスクに新しいダイナミックシールドのデザインを採用した。衝突被害軽減ブレーキも歩行者の検知が可能になったが、依然として売れ行きは伸びない。この点について三菱販売店に尋ねると、以下のような返答だった。
「ミラージュは2020年にマイナーチェンジを行って、フロントマスクや安全装備を刷新しましたが、売れ行きは乏しいです。今の三菱の売れ筋は、ミニバンのデリカD:5やSUVのエクリプスクロスになっているからです」
「三菱のブランドイメージも変わり、SUV感覚を強めました。またコンパクトカーには、ヤリスやノートなどの強敵も多いです。三菱にもライズやキックスのようなコンパクトSUVが用意されると、好調に売れると思います」
たしかに三菱の小型/普通乗用車で最も多く売れているのは、今は月に約1000台のデリカD:5だ。2位は月500台前後のエクリプスクロスになる。
ミラージュは今の三菱のブランドイメージに合わず、発売も2012年8月だから8年以上を経過するため売れ行きも伸び悩む。
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