自動車産業が盛んな日本は、同時に世界有数の自動車市場でもある。そんな日本市場に参入する海外自動車メーカーも多いが、なかにはうまくいかずに撤退してしまったブランドも存在する。
今回はこうした撤退ブランドを紹介し、現在の状況についても報告する。実は好きだったあのメーカー、本国では今も元気でやっているのだろうか?
文/長谷川 敦 、写真/オペル、ヒョンデ、Favcars.com
【画像ギャラリー】日本市場の分厚い壁に泣いたクルマたち(14枚)画像ギャラリーついに日本での再始動を開始するドイツの老舗「オペル」
1899年、ドイツで自動車の製造販売を開始したメーカーがオペル。社名は創業者のアダム・オペルからとられたもので、実際に自動車製造をスタートさせたのはアダムの息子たちだった。
当初は堅調だったオペルの事業だが、不況のあおりを受けて1930年代にはアメリカのゼネラルモーターズ(GM)に子会社化される。以降はGM製プラットフォームを使用したモデルも販売していた。
日本国内での輸入販売は1920年代から行われている。第二次世界大戦後には日本での代理店が変更されるものの販売を継続。1970年代には排ガス規制への対応遅れから一時的に撤退し、1980年代前半に再び販売開始となる。
なお、この時期には当時同じくGM傘下にあったいすゞ自動車も一部のオペル製モデルを輸入販売していた。
1993年には輸入代理店が変わり、さらに2000年には日本ゼネラルモーターズが本格的にオペルの販売を始めた。この頃の人気テレビドラマでコンパクトカーのヴィータが登場して注目を集めている。
このように日本の市場に存在し続けたオペルだったが、他のドイツ車ブランドに比べるとアピール度に乏しく、信頼性の面などでも日本車に苦戦していたこもとあり、2006年をもって日本市場からの撤退が決定された。
その後フランスのプジョーシトロエングループ(グループPSA)がGMからオペルと姉妹メーカーのボクスホールを買収して傘下に収め、さらにグループPSAがフィアット・クライスラー・オートモビルズを経営統合してステランティスグループを設立したため、現在のオペルはステランティスグループの一員となっている。
2019年に、当時のグループPSAは日本国内でのオペル車販売再開を発表した。すでに国内向けのウェブサイトもスタートし、正式販売開始に向けて準備が進められている。現在の日本市場でオペルがどこまで健闘してくれるのか、注目していきたい。
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