平成が終わり、令和の時代になってから早2カ月が経とうとしている。
この平成の30年間に登場した国産車のなかには世界的なブームを巻き起こしたクルマや、高級車の作り方に影響を与えたもの。そして、世界のスポーツカーを超越したクルマがあったのをご存じだろうか?
そこで、「世界を変えた誇るべき日本車」と題して厳選して選び、現在中古車相場はどうなっているのか、モータージャーナリストの萩原文博氏が解説する。
文/萩原文博
写真/トヨタ、日産、ホンダ、マツダ
日本人だったら歴史を変えた日本車を一度は手にしたい!
まず、取り上げたいのは最近設定された30周年記念車が一瞬で売り切れとなったり、初代モデルのレストアをメーカーが始めたりするなど話題豊富なマツダロードスターだ。
1989年に登場した初代ロードスターはロータスエランをインスパイアした2シーターライトウェイトスポーツカー。
このロードスターの成功により、2シーターオープンカーブームが世界規模で起こり、雨後の竹の子のように次々と登場したのは記憶に新しい。
続いては、同じく1989年に登場した初代セルシオだ。海外ではレクサスLS400として販売され、TV-CFのボンネットの上に載せたワイングラスからワインがこぼれないほどの振動の少なさが話題となった。
また、メルセデスベンツがセルシオを研究してSクラスを開発したというのも有名な話だ。
そして、1990年に登場した国産スーパーカーのNSX。現在では多くのメーカーが採用しているオールアルミボディを世界に先駆けて採用。
ミドシップにエンジンを搭載し、さらにトランクを設置するなどスーパースポーツカーながら高い実用性も兼ね備えたモデルだ。
ホンダからはもう1台、初代インテグラタイプRを取り上げたい。現在、ルノーメガーヌRSと抜きつ抜かれつのFF最速を争っている現行シビックタイプRだが、当時、1995年10月に発売された初代インテグラタイプRは、当時、世界最速のFFと言われていたからだ。
2代目インテグラタイプRよりもジャジャ馬で、おもしろさからいうと初代のほうが2代目よりも上回っている。
世界を変えた国産スポーツカーといえば、全天候型マルチパーパススポーツカーとして世界を仰天させ、ニュルブルクリンクの最速タイムを更新し続けた、2007年登場のR35GT-R抜きには語れないだろう。
匠が手組みする3.8L、V6ツインターボエンジンを搭載し、スカイラインGT-Rとは異なる速さを手に入れた。
実は1989年登場のR32GT-Rと迷ったのだが、中古車の平均価格が約380万円、中古車の価格帯が約240万円~1020 万円で、異常ともいえる高騰ぶりをみせているので、R35GT-Rを選ばせていただいた。
最後に、プレミアムSUVという新しいカテゴリーのパイオニアとして、1997年に登場したハリアーも取り上げたい。
現在のSUVブームの火付け役といえる存在で、SUVのなかで数少ないブランド力をもつクルマだ。一度は生産終了になりかけたが、現場からの声で継続となったという逸話も残っている。
マツダロードスター(初代)1989~1997
流通価格帯:約20万~280万円
平均価格:77万円
それでは、ここからは世界を変えた日本車として取り上げたクルマたちを手に入れるための中古車情報を紹介しよう。
1989年9月に販売開始された初代マツダ(ユーノス)ロードスター。約30年の月日が経ったが、現在でも初代ロードスターの中古車は約200台も流通している。
直近3カ月間は200~230台をキープし、流通台数は安定している。一方の平均価格の推移は3カ月前が79万円で、現在は77万円まで値落ちしているが、流通台数の減少とともに、相場は反発傾向となっている。
価格帯は約20万~約280万円で、高価格帯には限定車のM2シリーズが並んでいる。グレードでは1.6Lのベースグレードが約20%と最も多く、1.6Vスペシャル、1.8スペシャルパッケージの順で、1.6L車が多く流通している。
気になるトランスミッションだが、約78.3%がMT車で、そのうち約70%が100万円以下で購入可能となっている。アフターパーツも豊富に流通し、価格の安い中古車を手に入れて、コツコツとイジって走りを磨く楽しさがある。
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