名所化した首都高「辰巳ジャンプ台」は逆効果? 設置理由は? バイクでの安全性は?

名所化した首都高「辰巳ジャンプ台」は逆効果? 設置理由は? バイクでの安全性は?

 今年に入り、首都高に突然出現した通称「辰巳ジャンプ台」。暴走行為の抑制を目的に設置されたものの、かえって名所になってしまい、ジャンプする輩が続出する始末に。現場で実態を探り、首都高速にも詳細を取材したほか、バイクでの安全性も試してみた!

文/写真:沼尾宏明


【画像ギャラリー】辰巳ジャンプ台の通過車両を観察、二輪はエキサイトバイク感覚?(8枚)画像ギャラリー

グーグルマップにも登場、ルーレット族の遊び場に?

辰巳第一PAに出現した通称「辰巳ジャンプ台」(スクリーンショットは2月1日時点)
辰巳第一PAに出現した通称「辰巳ジャンプ台」(スクリーンショットは2月1日時点)

 2023年に入り、SNSの動画で話題を呼んだのが「辰巳ジャンプ台」。クルマが猛スピードで段差に迫り、アクション映画かゲームのように宙に舞う姿が注目を浴びた。

 さらにグーグルマップにも「辰巳ジャンプ台」の名称が登録され、ますます話題に。グーグルマップでこの表記は1月中頃から登場し、消えたり復活を繰り返していたが、2月11日現在は消滅。ただし現物の段差が撤去されたわけではない。

 辰巳ジャンプ台があるのは、首都高速・辰巳第一パーキングエリア(PA)。第一が上り、第二が下りだが、夜景がキレイな第一は人気がある。同時に、首都高を暴走して周回する「ルーレット族」が第一に集い、事あるごとに閉鎖されることでも有名だ。

わざわざジャンプ台を見るために訪れる人も多数

段差は本線合流までたった10m手前の位置にある。直前に「段差あり」の表記はあるが、“速度落とせ”などの警告はなかった
段差は本線合流までたった10m手前の位置にある。直前に「段差あり」の表記はあるが、“速度落とせ”などの警告はなかった

 辰巳ジャンプ台がどんなものなのか、2月初めに筆者も足を運んでみた。確かに、本線合流手前の出口付近に段差が設けられている。

 実際にメジャーで計ってみると高さは10.7cm。全長は5m程度でフルサイズセダンより大きい程度だ。

 平日夕方~夜の滞在だったが、頻繁に人がジャンプ台のそばに来ては写真を撮っている。数人に声をかけたところ「ジャンプ台を見るために来た」とのことだった。

 さらに観察すると、大多数はしっかり減速して通過していたが、時折PA内とは思えないほど加速してジャンプを試みているクルマも。ジャンプ台で飛ぶためには相当な速度での「助走」が必要なのだ。また「9号線→C1→11号線→湾岸線→9号線」のルートで周回しているのか、同じ車両が何度もジャンプ台を飛んでいた。

 なお段差で減速し、すぐ本線に合流することになるが、センターラインが黄線で本線左車線からの車線変更は禁止。そのため約200mの右車線を使って加速可能だ(ただしカーブになっている)。

次ページは : 首都高速「速度抑制が目的、警察と連携して対策をとる」

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