バイクのクラッチレバーを「使う/使わない」を自由に選べる「Eクラッチ」をホンダが世界初開発した。普段はレバー操作不要のためラクチンで、ライダーがその気になればマニュアルと変わらずスポーツ走行もできる夢のシステム。しかも低コストまで実現した。コイツはマニュアルバイク入門にも最適だ!
文/沼尾宏明、写真/沼尾宏明、ホンダ
【画像ギャラリー】こんなにコンパクト! E-クラッチの詳細と新型CB650Rを見てみる!(13枚)画像ギャラリークラッチレバーは使っても使わなくてもOK
いまだにバイクはクラッチレバーを操作して変速するマニュアル車が主流。これがバイクの楽しさになっているのは確かだが、単純な移動時や渋滞時にはクラッチ操作が億劫になってしまう場面も。
こんなジレンマを解消する世界初のシステム「Eクラッチ」をホンダが開発。クルマで言えば、クラッチペダルを備えつつ、使っても使わなくても変速できるメカと言えるだろう。
常時クラッチレバーを「使う/使わない」が選べるのが大きなポイント。通常時はレバーを使わなくても発進~半クラッチ~停止が電子制御され、エンストもしない。オートマと似ているが、ギヤ変更は足元のペダルで行う必要がある。
ライダーは走りに集中でき、渋滞などで頻繁にストップ&ゴーを繰り返す場面ではレバー操作が要らなたいめ、左腕が疲れない。また、フルブレーキングや極低速時にエンストして立ちゴケするパターンも多いが、E-クラッチはエンストしないため、安全性が増すメリットもある。
ただしバイクは、極低速時やUターン時に半クラッチを使いたくなったり、スポーツ走行で回転を上げて任意のタイミングでシフトチェンジしたい場面もある。
こんな時でもE-クラッチなら、クラッチレバーを握るだけで通常のマニュアル操作に切り替わる。この状態は全くマニュアルクラッチと同じ操作感覚で、1~5秒でクラッチレスのモードに自動復帰する。もちろん、自動クラッチを設定で完全オフにすることもOKだ。
つまりE-クラッチは、マニュアルのよさを一切失わず、疲れも抑えられるシステムと言える。開発責任者の小野氏も「E-クラッチは操る楽しみの新提案。マニュアルミッションの進化」と話す。
第1弾として海外仕様のCBR650R、CB650Rに搭載し、後に国内版も登場予定。価格や発売時期は未公表だが、噂によると国内にはマニュアルクラッチ仕様が春頃に登場し、Eクラッチ版は6月頃発売される模様だ。
コメント
コメントの使い方この長所は、最も難しい単純化を徹底したことで、軽く実現できたことですね。
二十年前に四輪用が生まれた時も、欧州は超高額で半レーシングカーにしか設定できなかったのが、国産は単純で軽く安価を成し遂げました。
でも流行らなかった。今回はこの価値を認められる時代になっていて、流行することを願います。