普段は対極的になりがちな電車とバス。たまには両者手を取り合う形で、電車/バスを交互に乗り継いでいったら最終的(96時間後)にどこへ辿りつけるのかを検証してみた2回目。今回は愛知県を通り抜けてみよう。
文・写真:中山修一
(電車バス交互乗り継ぎチャレンジのフッテージ写真付き記事はバスマガジンWebもしくはベストカーWebをご覧ください)
■都会よりもローカルが狙い目?
前回(別記事で紹介)は、神奈川県の横浜駅をスタート地点にして、ほぼJR東海道線に沿って電車とバスを交互に乗り継ぎながら静岡県を通過して、愛知県の豊橋で1日目の区切りにした。
今回はその翌日。前日最後に使った乗り物がJR東海道線の電車だったので、2日目の滑り出しは路線バスのターンになる。
愛知県を通って次へと進むには、はてどっちの方向を目指すのが簡単だろうか? 交通網が充実しているのはもちろん都会だ。
しかしここで注意したいのが、路線バスを移動手段に用いるとき。都会の場合、今度はバスの系統の数が豊富になりすぎて、その土地のバスに慣れていないと、目的の路線を探し出すまでに一手間かかってしまう。
そうなると、交通手段が限られているローカルエリア方面に進路を取ったほうが、シンプルな分だけ明解に進める、という考え方もある。
愛知県の静岡県寄りには渥美半島が突き出ていて、豊橋は感覚的に半島の付け根部分に相当。この渥美半島の端まで行くと、そこからお隣の三重県にある有名観光地の鳥羽までフェリーが出ているのだ。
この電車/バス交互乗り継ぎ旅にはルール(本文最後に記載)を設けてあるが、短距離航路の利用はOK。フェリーに乗るのは非日常が味わえて楽しいし、それなら利用しない選択は勿体ない。これで直近の行き先が渥美半島に決まった。
■バスを乗り通してはいけない
渥美半島の端っこ・伊良湖(いらご)のカーフェリー乗り場には路線バスでアクセスできる。豊鉄バスが運行する「伊良湖本線」がそれで、豊橋駅前から同方面へのバスが1時間に1本くらいのペースで出ていたりする。
物凄く簡単に移動できてしまう環境が整っていて嬉しい限り。ところが、電車/バス交互乗り継ぎのルール上では、豊橋駅始発の豊鉄バス伊良湖本線を終点まで乗ってしまうと毒を食らう。
豊橋駅発の便は、豊鉄バスの営業所が置かれている、途中の「保美」が終点になっている。通常ならここから別のバスに乗り換えて伊良湖に行ける。
しかし今回のルール上、バスからバスへの乗り継ぎはダメ。保美まで乗り通すと自動的に徒歩移動となるが、保美→伊良湖まで9km歩いてみるか? という話である。
幸いにも渥美半島には途中まで電車「豊橋鉄道渥美線」が通っている。どこかでこの電車に乗ってワンクッション挟めばうまく行きそうだ。
■駅に一番近いバス停
豊鉄バス伊良湖本線が走る経路の中で、豊橋鉄道の駅に最も近い所をかすめる停留所はどこか? チェックしてみたところ、電車の終点である三河田原の5駅手前、「老津」がちょうど良さそうだった。
豊橋駅前のバスターミナルから保美行きの豊鉄バスに乗り、30分くらいで老津に着いた。停留所から駅ホームまで100mないくらいの近さ。電車が来るまで12分ほど待ち時間ができた。
伊良湖行きの豊鉄バスは三河田原駅前のバス停を通るので、電車で終点まで行き、再度豊鉄バスに乗り換えてフェリー乗り場まで交互乗り継ぎをキープしながら移動する作戦だ。
伊良湖行きのバスは本数が少なめ。田原駅11:00発のバスを狙い、三河田原での待ち時間は30分ほど。これを逃すと直通便は14:00まで来ないため、ちょっとタイト。