雨が降って湿気が多い時、ウインドウが曇ったら?
梅雨時の湿度がめっぽう高い時期に苦労させられるのが、ウインドウの曇りだ。周囲の状況にもよるのだろうがエアコンのブロワー機能は過去のモデルとは比べものにならないほど進化しており、換気機能は機械まかせにしておけばよいというのが持論ではあっても、なかなか取り除けない場合もある。
マニュアルエアコンも暖房状態のままA/CスイッチをONにするとクーラー機能で除湿・乾燥させた空気をヒーターで温める「除湿・暖房モード」を利用することができる。
この設定で吹き出し口を「デフロスター」に設定すれば、フロントウインドウのくもりを効果的に解消することができる。この「除湿・暖房モード」、湿気の高まる梅雨時には威力を発揮する設定なので、覚えておきたい。
なお、オートエアコンが適切にオートで作動している限りフロントウインドウが曇ることはめったにないが、走り始めに一気に曇ってしまったなど、意識して「デフロスター」を利用したい場合、マニュアル操作で設定する必要がある。
ところで最近話題になった、ご存じスーパーコンピューター「富岳」が実施した、タクシー車両の飛沫の飛散についてのシミュレーション結果が明らかになっているので参考までに紹介しよう。これを見ると、内気循環と外気導入、それぞれのモードの効果が指摘されていた。
具体的には、タクシーでの運転手+乗客2名の3名乗車において、40km/hの走行条件でエアコンを外気導入モードに設定。ドアのウインドウの開閉状況を変えながら、エアコンの風量を通常レベル(最大量の半分)と最大レベルで作動させた場合の換気性能や飛沫の飛散を計算している。
シミュレーション結果を見ると、エアコン風量が通常レベルでウインドウを締め切った場合では、1時間当たりの実換気量は177m3/時間と、タクシーの室内の総容積である4.2m3の空気が40回以上入れ替わり、1分半ほどで充分な換気が可能であることがわかった。ブロワー機能そのものの検証ではないとはいえ、さほど現在のエアコンの換気能力を信用してよいことの証明となるはずだ。
オートエアコンにも弱点はある
今では当たり前になりつつある贅沢なオートエアコンにも弱みはある。設定温度を決めてしまえば、オートエアコンは夏場だと当然ながら、室内温度をいかに設定温度に近づけるかというデジタル的な考え方で制御されるために、人の感覚からすれば無駄に作動しているように思える場合もある。
オートエアコンで希望の室温に設定すると、最初は目標となる室温に合わせるように冷房を目一杯効かせるが、室温が下がってくれば徐々に風量も下げつつ、ヒーター機能で熱を加えた空気を取り入れて、適度な温度の空気を送り出すようになってしまう。
これを避ける方法は温度設定を最低にしてしまうという方法がある。冷房の温度設定を最低にしておけば、暖気を作り出すためにヒーターを使うことがないため、冷媒で冷やした空気を再び暖めるようなことはなくなるのだ。
いっぽうで、常に冷たい空気が出ている場合には、室温は下がり続けてしまう。それでは室温の調節方法はといえば、室温を下げたい、暑いと感じる場合には風量を増加させ、ほどよいと思うようになれば風量を減らすという調整を実施すればよいことになる。
そのほか、梅雨時や夏場を乗り切るためにエアコンを活用するには、ひと工夫が必要だ。たとえば、夏場の炎天下の駐車で、室温が70度というような場合には室内に入れる状態ではないので、室外で空気が入れ替わるのを待ちながらウインドウを開け放ち、熱気を我慢しつつ風量を最大(MAX)モードに設定して、エアコンを作動させておく。ある程度室温が下がり始めたら、スタートして空気の入れ換えを促すという段取りになる。
コメント
コメントの使い方