蒸し蒸しして暑い梅雨の季節到来! 温度設定は25度が正解か?


 沖縄から東海地方の地域で平年よりも5~21日早く梅雨入りした。関東甲信地方も平年ならば6月5日に梅雨入りし、7月19日頃に梅雨明けだが、今年は他の地域と同様、早まりそうだ。

 梅雨の季節はうっとうしい。ジメジメした車内で過ごすのはできれば避けたいもの。でもエアコンの温度を16度~18度に設定すると「寒すぎる」と文句を言われ、それではと23度~25度に設定しなおしたら「暑くない?」と憮然とした態度……、こんなことありませんか?

 そこで、一体全体、梅雨の季節のエアコンの温度設定はどうなっているんだ? という声にお応えするために、最適な車載エアコンの温度設定は何度なのか? 快適なエアコンライフはどうすればいいのか、解説します。

 そんなの知っているよ! という方も、クルマ初心者で正しいエアコンの使い方を知りたい、という方もご覧あれ!

文/岩尾信哉

写真/ベストカーweb編集部 Adobe Stock(トビラ写真 bertys30@Adobe Stock)

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あまり冷えていないと感じたらクーラーガスの補充を

25度を超える日が多くなり、エアコンをオンにする機会が増えてきた。あなたのクルマのエアコンはちゃんと冷えていますか?(Monika Wisniewska@Adobe Stock)

 気温が25度を超える日が多くなり冷房を入れることが多くなってきた。いざ冷房! とスイッチをオンにして設定温度を下げてもダクトから出てくる風が充分に冷えていないと感じたら、クーラーガスの補充をしたほうがいい。

 冷房の効きが悪い原因はいろいろあるが、まず疑うべきはコンプレッサーが正常に動いているかどうか。エアコンスイッチを押し「カチッ」と音がすればコンプレッサーは正常に起動している証拠。

 スイッチ音が聞こえず、エアコンも作動しない場合は故障かもしれない。エンジンから異音がする場合は、コンプレッサーのベアリング不良や内部損傷の可能性もある。

 そして、一番多いのが冷媒、すなわちクーラーガスが不足していることだ。クーラーガスは冷気を作り出す元になる冷媒で、エアコンの配管内に高圧で充填されており、圧縮して冷却され液化し、放出して気化するというサイクルをエアコンシステム内で循環している。

 そのエアコンガスの量をチェックするには、ボンネットを開けて小さな丸い窓ガラスのようなものがあったら、それがサイトグラスと呼ばれるものがある。エンジンをかけてエアコンをONにしてから、サイトグラスを見ると、気泡の量で、エアコンガスの量がわかるのだ。

 気泡がまったくない透明の状態は過充填、透明または気泡が時々見えるならエアコンガスは充分に入っている状態。気泡がたくさん見える場合はエアコンガスが不足している可能性が高い。

 サイトグラスがないクルマもあるが、その場合。ガス充填用のメーター付きホースを接続して圧力を測定しないと判定できないようになっており、プロの整備士に依頼しないと判断できない。

 クーラーガスが減ってしまったら補充しようとするだろうが、毎年のようにクーラーガスを補充するようなら、エアコンの修理を考えたほうがいい。

 ちなみに大型量販店などでガス充填を頼む場合は、1本200g、2000円(税抜き)で作業工賃は1000円(税抜き)、コンパクトカーなら約3~5本、ミニバンが4~6本。ガス充填と同時にオイルの同時注入する場合にはR134aが1500円(税抜き)必要になる。

エアコンガス、HFC-134aは200g 1本、約500円

エアコンの設定温度は25度が一般的?

はたしてエアコンの温度設定は最低の16度? 18度? よく言われている25度? 車内の温度設定を外気と同じ25度に設定した場合、エアコンスイッチをONにしたままだと12%程度燃費が悪化するというデータも出ている

 最近の日本車ではオートエアコンの設定温度を決めてしまって、後はほったらかしで済めばよいのに……と思うのは、ずぼらな性格の筆者だけだろうか。それでも多くのユーザーが設定温度をどう決めているかは気になるところだ。

 オートエアコンの基本となる温度設定は、ユーザーそれぞれの使用条件によって変わってくるのは当然として、世界8ヵ国の開発拠点と78の生産拠点を有する「カルソニックカンセイ」の見解(2017年8月10日広報資料)では、日本車は「25度」、欧州車は「22度」が温度設定の中心のため、この温度を基準にすることをオススメするとのこと。

 さらにネットの情報を漁ってみると、どうやら設定温度については25度に設定している人が約3割とトップ、24度に設定している人が2割程度というアンケートデータを見つけた。筆者自身は暑がりのせいもあって、24度に設定していることでも納得がいく。

 さらにいくつかの車載エアコンメーカーの技術論文を覗いてみると、車室内で人体の熱的な状態に影響を与えるのは、空気温度、放射温度、気流、湿度、着衣量、代謝量とされている。

 人間は恒温動物であり、代謝によって身体から生まれる熱を周囲の環境に放熱しつつ、常に体温を一定の範囲に収まるように制御する、ということになる。

 とはいえ、車両周囲の天候や車両内外の気温差、日射の強弱など、快適性を維持するのはそう簡単には行かない。カギとなるのは乗員がシートに座ったままで、自由に動き回ることができないという条件下で、キャビンの中で乗員それぞれが満足できる快適さが得られるように空調を制御する必要があることだ。

 だからこそ、前後左右席で独立した空調制御まで実施可能な車種、たとえばトヨタのアルファード/ヴェルファイアといった大型ミニバンで設定されることになるわけだ。

アルファードには後席エアコンの温度調整スイッチはもちろん、一人で運転している場合にエアコンの無駄を省くために運転席優先の省エネ空調の設定もある

 ここでエアコンの基本構成に立ち返れば、冷媒(熱を伝えるための素材)を圧縮、冷却した後に放出すると圧力低下とともに温度が下がることを利用した機能を得るために、熱交換器とともに、HVAC(Heating, Ventilation and Air Conditioning)システムで構成される。この周囲の熱を奪う現象を利用して、熱交換機で空気を冷やし、熱交換機が結露することによって除湿を実現している。

 ちなみに、基本設定といえる室内の温度や湿度については、前述の論文中の試験モードなどを見ても、試験時の室内温度は25度、同湿度は50%というのが標準的のようだ。

 気象庁のHPを見ると、東京都の2020年6月の平均気温は23.2度、平均湿度は82%とされており、梅雨まっただ中の6月の外気の状況を含めて考慮すれば、これぐらいの設定基準でなければ、室内を快適だとは感じられないだろう。

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