CX-8とRXのロングだけ、キャプテンシートSUVは日本で広まらないのはなぜだ!?


 2列目がキャプテンシートなのは多くがミニバンだが、SUVにも採用しているモデルがかなりある。国産はCX-8やRXLとかなり選択肢が限られるが、海外市場。とくに北米はかなり該当モデルが存在するのだ。

例えばランクルプラドのレクサス版GXやランクルよりも一回りデカいセコイアなど、国産ブランドだけでも相当数ある。でもなぜ日本で買えるSUVのほとんどはベンチシートなのだろうか!? もしや日本の特殊な事情があるのか!?

文:青山尚暉/写真:マツダ・レクサス・ホンダ・三菱

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2列目にオットマンは当間の時代!! SUVの後席は少々不満も!?

 今や国産ハイエンドミニバンのアルファードはもちろん、ノア&ヴォクシー、ステップワゴン、そして5ナンバーサイズのコンパクトミニバンのフリードにも2列目キャプテンシートが用意されている。

 セパレートタイプで、車種によっては豪華で装備充実、フルリクライニング機構やオットマンまで付いているシートだけに、その居心地、着座感、快適性はまるで航空機のアッパークラス、新幹線のグランクラスのようでもある。

 しかし、現在、人気沸騰中かつ、ミニバンのような見晴らし視界もあって、ミニバンからの乗り換えも多いSUV、クロスオーバーSUVには意外に後席キャプテンシートを設定している国内で販売されている国産車は少ない、どころか、マツダCX-8とレクサスRXロングぐらいしか見当たらない。

 2列目キャプテンシートを備えたミニバンからの乗り換えはもちろん、アルファードのようなリッチな居住感覚を望むユーザーにとっては、物足りなく感じるはずである。

北米のSUVは豪華快適が常識! 一方国産はCX-8とRXのみ

日本で販売中のSUVはほとんどが2列目にベンチシートを採用。マツダCX-8とレクサスRXだけ左右独立シートを選択できるのだ

 海外に目を向ければ、日本ブランドのマツダCX-8やレクサスRXはもちろん、RXよりさらにデカいレクサスGX、フォード・エクスプローラ、キャデラック・エスカレードEXTなど、2列目キャプテンシート、6人乗りの、贅沢すぎる室内空間&居住感覚を持つSUVは少なくない。

 マツダCX-8が3列シート仕様で、2列目席に2種類のキャプテンシートを用意しているのは、もちろんマツダが魂動デザインや人車一体の走りを重視した結果、ミニバン市場から撤退した経緯があり、その穴を埋める意味もある。

 高級セダンの乗り心地と快適性に特化したSUVとして開発された国内最上級SUVのレクサスRXにしても、主力戦場は北米などの海外であり、市場の要望から3列シート、そして2列目キャプテンシートの用意は欠かせないということだろう。

国産SUVの後席に豪華さがない要因はサイズにアリ

 では、各自動車メーカーからかなりの数のSUV、クロスオーバーSUVが発売されているにもかかわらず、なぜ、日本で売られている国産SUVに、2列目キャプテンシート装着車が少なすぎるのか? その答えの一つが、ボディサイズにある。

 CX-8は全長4900×全幅1840×全高1730mm、ホイールベース2930mm。室内長2690mm。RX450hLに至っては、全長5000×全幅1895×全高1725mm、ホイールベース2790mm。

 室内長2630mmと、どちらも海外サイズ、というか、かなりデカい。全長も室内長たっぷりある。だから3列目席が作れる。

日本で扱いやすいサイズのクルマを作ると3列目シートを作ることができない。よってSUVで2列目をキャプテンシートにすると4人乗りになってしまうことから商品としてイマイチ

 もし、日本の路上でも大きすぎない、2列目シートのCX-5(全長4575mm、ホイールベース2700mm、室内長1890mm)やRAV4(全長4600~4610mm、ホイールベース2690mm、室内長1890mm)のようなミッドサイズSUVの後席をキャプテンシートにしたらどうなるか? 誰もが分かるように、広さや居住感覚、乗り心地などは別世界としても、軽自動車と同じ4人乗りのクルマになってしまう。

 5人乗車できないだけでなく(めったにしないだろうが)、ファミリーユースとして使う場合、後席で子供のおむつ替えができないし、愛犬家が大型犬を乗せることもできなくなってしまう。

 特装車としてはともかく(ミニバンの例ではデリカD:5やアルファードにも4座、4人乗りのショーカー、特装車が存在した)、商品としてまず成立しないのである。

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