大柄な大排気量車でブイブイいわせていた人も、「今さらこんなデカいクルマでもないだろう!」と、突如「ダウンサイジング」に目覚める昨今。しかし気持ちまで小さくなりたくない。情熱はそのままにダウンサイジングできるクルマをご紹介!!
※本稿は2025年1月のものです
文:伊達軍曹/写真:トヨタ、ダイハツ、日産 ほか
初出:『ベストカー』2025年2月10日号
その炎は燃えているか? たとえ弱火でも!
例えば筆者の場合、なんだかんだであと数年もすれば還暦。おそらく仕事は先細って収入は減り、目も見えづらくなっていくはず。
それゆえ今度こそ本当に「出費」と「クルマのサイズ」をダウンサイジングしなければならないのだ。そしてこの状況は、筆者のような自営業者と会社員の方では異なる部分もあろうが、大筋としては同じことだ。だから、ほぼすべての中年は今後、ダウンサイジングが必要なのである。
とはいえそれでも、俺たちの「クルマ好きな男」としての炎は、まだまだ(いささか弱火にはなったが)燃えている。それゆえ、ダサいクルマやハンドリングがダメなクルマ、そしてあまりにもカッコ悪いクルマには、やはり絶対に乗りたくないと思うのだ、いくつになっても。
だからこそ、「男のダウンサイジング」においては以下の条件を満たすことが重要になってくる。
それはすなわち「ボディサイズが小さめで燃費もよくて、比較的安価で、ヒヤリハットを予防できる運転支援システムも付いている。だがそれでいてクルマとしての炎を(中~弱火かもしれないが)燃やし続けることができる何かを秘めている」ということだ。
それらの各条件を「火力度数」などと銘打ったうえで、五つ星を満点とする星取表にて各候補車を評価していく。
【画像ギャラリー】だが情熱はある!! クルマ好きの熱量はキープしながらダウンサイジングできるクルマたち(28枚)画像ギャラリーダウンサイジング術:トヨタ編
●トヨタ ヤリス ハイブリッド 価格:204.4万~269.4万円
モデル末期だが最有力候補のひとつ。ハイブリッドの場合は軽快感も痛快感もクラストップレベルで、燃費性能もナンバーワンレベル。後席はやや狭いが、ダウンサイズを考える層には問題とならないだろう。
・火力度数:★★★★☆
・安全装備:★★★☆☆
・乗り心地:★★★☆☆
・燃費性能:★★★★★
・お手頃感:★★★★★
●トヨタ GRヤリス 価格:349.0万~533.0万円
火力は最高レベルであり、それでいながらヒヤリハットを防止する安全装備も充実(※RCを除く)。その部分では最強と言えるのだが、いかんせん燃費性能とお手頃感、そして乗り心地が中高年向けではないのは気になるところだ。
・火力度数:★★★★★
・安全装備:★★★★★
・乗り心地:★★☆☆☆
・燃費性能:★★☆☆☆
・お手頃感:★★☆☆☆
●トヨタ ヤリスクロス 価格:190.7万~315.6万円
ハイブリッド車の場合は燃費性能も五つ星で、Z以上のグレードなら安全装備にも不安なし。そして走りもお手頃感もまずまずということで有力候補なのだが、「世間に埋没してしまう」という恐怖を抱かせる部分を、果たしてどう評価するか?
・火力度数:★★★☆☆
・安全装備:★★★★★
・乗り心地:★★★★☆
・燃費性能:★★★★★
・お手頃感:★★★★☆
●トヨタ カローラ スポーツ 価格:221.0万~297.81万円
ハイブリッド車は燃費五つ星で、お手頃感も充分。ブラインドスポットモニターは中間グレード以下ではオプションになる。
・火力度数:★★★☆☆
・安全装備:★★★★☆
・乗り心地:★★★★☆
・燃費性能:★★★★★
・お手頃感:★★★★☆
●トヨタ カローラ ツーリング 価格:210.86万~338.83万円
「ワゴン=アクティブっぽい」という意味で火力はまずまず。ハイブリッドなら燃費も良好な、バランスのよい選択肢かも。
・火力度数:★★★★☆
・安全装備:★★★★☆
・乗り心地:★★★★☆
・燃費性能:★★★★☆
・お手頃感:★★★★☆
●トヨタ GRコペン 価格:250.14万~255.64万円
絶対的なパワーはないが、痛快感という名の「火力」は最高。2シーターであることも許容できると思うが、ヒヤリハット防止の装置は少なめ。
・火力度数:★★★★★
・安全装備:★★☆☆☆
・乗り心地:★★☆☆☆
・燃費性能:★★★☆☆
・お手頃感:★★★☆☆
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