bB、ザッツ…何がダメだった? 売れそうで売れなかった車 5選


マツダ ビアンテ/2008年発売

2008年発売のビアンテ。2018年に生産中止となり、絶版に

 2008年にビアンテが登場した時、開発者は「ミニバンは背が高くないと売れないから、ビアンテを開発した」とコメントした。

 マツダは1999年に初代プレマシー、2005年に2代目を発売したが、全高が1700mm以下のワゴン風ミニバンだ。2代目はスライドドアも装着したが、マツダの意図した通りに売れず、セレナのように全高が1800mmを超えるビアンテを開発した。

 しかし困難が伴った。当時のマツダでミニバンが成立するプラットフォームは、2003年に登場した初代アクセラのタイプしかない。そうなるとセレナやヴォクシーと同様の5ナンバーサイズに収めるのは不可能で3ナンバー車になった。

 さらに、アクセラのプラットフォームは、構造上ペダルの位置を高められない。これはハイルーフミニバンを開発するには致命的な欠点で、床の前側を持ち上げて平らに仕上げられない。そこで車内の床に段差を設けて、後席ほど高くなる「シアターレイアウト」を採用した。

ビアンテの前方席の着座位置は、アクセラベースのプラットフォームゆえあまり高く出来ないという苦労も

 一番の問題はドライバーの着座姿勢と視界の確保だ。ペダルの位置は低いから、前席の着座位置もあまり高められない(それでもペダルと座面の間隔はかなり離れていた)。

 しかし、全高は1800mmを超えるから、ボンネットも相応に高く設定しないと外観のデザイン的なバランスが悪化する。そこでボンネットを高めたが、ドアパネルの上端も同じ高さまで持ち上げると側方が見えなってしまう。

 ビアンテを開発した裏側には、このような苦心があったが、ユーザーからは「単に妙な形の3ナンバーミニバン」と見えてしまった。

基本レイアウトのビアンテ。3列目は床下収納や跳ね上げ式ではなく、荷室容量に課題も

 シートアレンジも個性的で、3列目を左右に跳ね上げたり、床下に格納することはできない。座面を持ち上げて前方にスライドさせる方式だから、荷室の奥行が限られてしまう。

 その代わり3列目の座面を持ち上げて2列目を後方にスライドさせると、車内の中央(1列目の後ろ側)に広い空間ができた。スライドドアから自転車を積むことも可能だったが、これもユーザーの共感は得られなかった。

 ビアンテの3列目は、左右跳ね上げ式の車種に比べて座面が柔軟だったが、奥行寸法が短くやはり理解されなかった。努力が実らず、2009年の登録台数は、早くも1か月平均で約1000台と低迷した。

エクシーガ&クロスオーバー7/2008年発売

2008年発売のエクシーガ。2015年に大幅刷新でエクシーガ クロスオーバー7に引き継ぐまでスバル唯一の3列シート車に

 エクシーガは、水平対向エンジンを搭載する最初の3列シートミニバンとして2008年に発売。

 全幅は3ナンバーサイズだが、全高は1700mmを下まわり、後席側のドアは横開き式だ。スライドドアは装着していない。しかもミニバンでは珍しくフロントウインドウの角度を立てたので、外観は背の高いワゴンに見えた。

 エクシーガのような背の低いワゴン風のミニバンは、ストリームやウィッシュで人気を高めた。初代ストリームの発売は2000年、ウィッシュは2003年で、当時はセダン、ハッチバック、ワゴンなどからミニバンに乗り替えるユーザーも多かった。

初代ストリームやウィッシュはセダン、ハッチバックなどから切り替えるユーザーが多かった。(写真:初代ストリーム(2001))

 いきなり背の高いセレナやステップワゴンに乗り替えると違和感も生じるから、ストリームやウィッシュのようなワゴン風のミニバンを購入するユーザーも見受けられた。

 従って商品企画は悪くなかったが、エクシーガの発売は2008年だ。この時期にはミニバンも普及して、中間的な背の低い車種のニーズは下がっていた。つまりエクシーガの登場は遅すぎたのだ。

 しかも、スバルのブランドイメージは、優れた走行安定性や乗り心地にある。だからこそエクシーガは、ワゴン風に造り込んだが、スバルブランドとミニバンは根本的に合致しなかった。

 そのために発売の翌年となる2009年の時点で、登録台数は1か月当たり1000台を下まわった。

2015年の改良で車名変更されたクロスオーバー7。その後2017年12月に生産終了

 2015年には大幅な改良を行ってSUVのクロスオーバー7に発展させている。良いアイデアだったが、すでに発売から7年を経過しており、人気は持ち直さなかった。

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