天晴れ!? 常勝軍団トヨタを打ち負かした名車たち

Lクラス高級ミニバンの先駆車/初代日産エルグランド(1997年5月~2002年4月)

初代日産エルグランド(1997年5月~2002年4月)。新ジャンルのミニバンにもかかわらず大ヒット。デビュー年は4万5179台もの台数を販売
初代日産エルグランド(1997年5月~2002年4月)。新ジャンルのミニバンにもかかわらず大ヒット。デビュー年は4万5179台もの台数を販売

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■打ち負かしたトヨタ車:グランビア(1995年8月~2002年4月)、グランドハイエース(1994年8月~2002年4月)

トヨタグランビア(1995年8月~2002年4月)
トヨタグランビア(1995年8月~2002年4月)

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 2020年の年間新車販売台数で5位となったアルファード。兄弟車のヴェルファイアとともに、Lサイズミニバン市場を独占している。しかし、かつてこのLサイズミニバンもトヨタが苦戦を強いられていたカテゴリーだ。

 1995年にトヨタの最高級1BOXとして登場したのがグランビア。3ナンバー専用となったボディのフロントにエンジンを搭載したFRミニバンで、現在のアルファード/ヴェルファイアのルーツといえるクルマだ。

 このグランビアにライバルだったのが、日本市場にLサイズミニバンブームを巻き起こした日産キャラバン/ホーミーエルグランドだ。

 1997年に登場したキャラバン/ホーミーエルグランドは、1BOX車キャラバン/ホーミーをベースとしたFRミニバン。

 当時人気だったシボレーアストロを彷彿させる大きなフロントグリルとスクエアで大きなボディで大ヒットした。

 なかでもオーテックジャパンが手がけたカスタムカーの「ライダー」は、メッキパーツを使用したビレッドグリルを採用し、さらに迫力を倍増。現在の押し出しのあるオラオラ顔の礎となったのは間違いない。

 搭載するエンジンは当初、3.3L、V6ガソリンと3.2L、直4ディーゼルだったが、1999年にディーゼルが3L直4直噴ターボ、そして2000年にガソリンが3.5L、V6へとパワーアップした。

 キャラバン/ホーミーエルグランドのヒットに合わせて、グランビアも1999年のマイナーチェンジで大きなフロントグリルを採用したフロントマスクへと変更されたが、エルグランドには叶わなかった。

 しかし、2002年にエルグランド、グランビア揃ってフルモデルチェンジを行い、グランビアはアルファードへと進化。エスティマベースとなったため駆動方式もFFへと変更。

 搭載するエンジンはエルグランドが3.5L、V6のみだったのに対して、アルファードは3L、V6と2.4L、直4を搭載。2.4L車の低価格戦略が見事にハマリ、アルファードがエルグランドの販売台数を逆転し、現在に至っている。

 初代エルグランド(キャラバン/ホーミーエルグランド含む)の中古車は現在約56台流通していて、価格帯は約1万~約199万円と幅広くなっている。平均価格は約42万円だ。人気のカスタムカー、ライダーも約7台流通しており、当時の人気の高さをうかがえる。

ミニバンブームをけん引した不動の名車/初代ホンダオデッセイ(1994年10月~1999年12月)

初代ホンダオデッセイ(1994年10月~1999年12月)
初代ホンダオデッセイ(1994年10月~1999年12月)

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■打ち負かしたトヨタ車:イプサム(1996年5月~2001年5月)

初代トヨタイプサム(1996年5月~2001年5月)
初代トヨタイプサム(1996年5月~2001年5月)

 Lサイズミニバンのエルグランド同様にトヨタはミニバンで苦戦を強いられることがあった。それはホンダオデッセイだ。1994年にアコードのプラットフォームを採用した3列シートミニバンとして初代オデッセイが登場。

 当時1B0X系のミニバンが主流だった時代に、ステーションワゴンライクのスタイリングを採用し、乗用車並の走行性能を実現したオデッセイは画期的で、新時代のファミリーカーとして大ヒットした。

 デビュー当初は2.2L、直4エンジンのみだったが、1997年のマイナーチェンジで、2.3Lへ排気量アップ。そしてプレステージと呼ばれる3LV6エンジン搭載モデルを追加し、ラグジュアリー路線へと拡大した。

 トヨタはオデッセイの大ヒットを受けて、1996年に初代イプサムを販売開始。3ナンバーサイズのオデッセイに対して、イプサムは取扱しやすい5ナンバーサイズそしてエンジンの排気量も2L直4ガソリン、2.2L直4ディーゼルと税金面でも有利に思えたが、オデッセイの後塵を拝した。

 そして2001年フルモデルチェンジを行い、2代目へと進化したイプサムは3ナンバーボディとなり、搭載されるエンジンも2.4L、直4ガソリンと、オデッセイとがっぷり四つのライバルとなった。

ライバルのオデッセイも1999年に2代目へと進化しており、2002年にはスポーティモデルのアブソルートを設定するなど現在のエアロ系モデルのルーツを築いていた。このようなオデッセイの多様化するニーズに応える戦略に対抗できずイプサムは2010年に生産終了となった。

■打ち負かしたトヨタ車:マークX ZIO(2007年9月~2013年12月)

マークX ZIO(2007年9月~2013年12月)
マークX ZIO(2007年9月~2013年12月)

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 このイプサムに代わって、オデッセイのライバル車として2007年に登場したのがマークX ZIOだ。当時オデッセイは3代目へと世代交代し、新開発の低床プラットフォームを採用し、都市部に多い立体駐車場に対応する優れたパッケージングを採用していた。

 マークX ZIOはアッパーミドルセダンのマークXと言う名前に相応しい洗練された高級感と優れた走行性能を両立し、使用シーンに応じて自由にアレンジすることのできる室内空間を備えた、新しいコンセプトのクルマだ。

 オデッセイを強く意識したことはボディサイズにも表れており、2WD車は全長4695×全幅1785×全高1550mmと立体駐車場に対応していた。

 搭載するエンジンを2.4L、直4に加えて、3.5L、V6も用意していたが、マークXという名前ながら、駆動方式がFFというコンセプトが浸透せず、わずか1世代で生産終了。このマークX ZIOを最後にリアがヒンジ式のミニバンはラインアップから姿を消した。

 かつての栄光を築いたモデルの中古車を見てみると、初代は現在、約9台流通していて、平均価格は約33万円。中古車の価格耐は約18万~約80万円となっていて、後期型の2.3L車が中心だ。

 1999年に登場した2代目オデッセイの中古車は現在約16台流通していて、平均価格は約28万円と歴代オデッセイで最も安くなっている。価格帯は約5万~約79万円で、グレードはアブソルートが中心で、3L車も流通している。

 そして、2003年に登場した3代目オデッセイの中古車の流通台数は約441台と非常に豊富。平均価格も約29.4万円と底値といえる状況だ。

 価格帯は約5万~約138万円で、アブソルートやMエアロといったエアロパーツを装着したモデルが中心となっている。

次ページは : 四角いスタイルでベストセラーSUVに/初代日産エクストレイル(2000年11月~2007年8月)

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