日本車のEVはテスラを見習うべきところはあるのか?

■テスラのどこが日本車よりいいのか?

日本のEVはテスラを見習うべきところはあるのか?
EVのパイオニアであるリーフ。2017年12月に登場した現行リーフの航続距離はWLTCモードで322km、リーフe+は458km
日本のEVはテスラを見習うべきところはあるのか?
ホンダeは標準仕様が136ps/32.1kgm、アドバンスが154ps/32.1kgm。リチウムイオンバッテリーの容量はいずれも35.5kWh。1充電あたりのWLTCモードの航続距離は標準仕様が283km、アドバンスが259km。価格は標準仕様が451万円、アドバンスが495万円

 1回の充電で走行できる距離(WLTCモード)は、テスラモデル3スタンダードレンジプラスが448km、リーフGは40kWhのリチウムイオン電池を搭載して322kmだ。テスラモデル3は、リーフGよりも126km多く走る。比率に換算すると1.4倍だ。

 一方、テスラモデル3ロングレンジは、デュアルモーターの4WDも採用されて価格は499万円だ。リーフに当てはめると、62kWhのリチウムイオン電池を搭載するe+G(499万8400円)とほぼ同額になる。

 1回の充電で走行できる距離は、テスラモデル3ロングレンジが580km、リーフe+Gは458kmだから、 テスラモデル3は122km上まわる。比率では1.3倍の違いだ。このように価格と航続可能距離のバランスで見ると、テスラモデル3がリーフよりも割安と受け取られる。

 特にロングレンジは、前輪にもモーターを搭載して4WDを成立させた。スタンダードレンジプラスに比べると、動力性能、航続可能距離に加えて駆動力の伝達効率まで向上させたから、注目度も高まるだろう。

※テスラは、最高出力、最大トルク、リチウムイオン電池の総電力量(kWh)などを正式には発表していないようです。分かっているのは、航続可能距離、最高速度、0-100km加速なのでガッチリした比較はしにくいです。可能な範囲で比べました。

 日本メーカーの電気自動車としては、リーフのほかにレクサスUX、ホンダe、MX-30EVモデルがある。これらに比べてテスラモデル3が優れているのは、前述の1回の充電で走行できる距離と動力性能だ。

 1回の充電で走れる距離(WLTCモード)と価格を改めて整理すると、以下のようになる。テスラモデル3のスタンダードレンジプラスは、448kmを走行できて価格は429万円。ロングレンジは580kmを走行できて499万円だ。

 リーフは40kWhが322kmを走行できてGの価格は418万9900円。62kWhは458kmを走行できて、e+Gが499万8400円になる。

 ホンダeは、総電力量が35.5kWhで、標準仕様は283kmを走行できる。価格は451万円だ。

日本のEVはテスラを見習うべきところはあるのか?
レクサスUX300eは、最高出力204ps、最大トル30.6kgm、バッテリーはリチウムイオンで容量54.3kWh、航続距離400km、普通充電(AC)最大6.6kw、急速充電(DC)最大50kwとしている
日本のEVはテスラを見習うべきところはあるのか?
2021年1月28日に発売したマツダ初の量産EV、MX-30EV、ピュアEVとなったも低重心、高剛性骨格で人馬一体感をさらに進化。価格は451万~495万円

 レクサスUX300eは、リチウムイオン電池の総電力量が54.4kWhで、1回の充電により367kmを走行できる。価格はバージョンCが580万円だ。

 MX-30 EVモデルは、総電力量が35.5kWhで256kmを走行できる。価格はEVベーシックセットが458万7000円になる。

 このように見ていくと、448kmを走行できて価格が429万円になるテスラモデル3スタンダードレンジプラス、580kmを走行できて499万円のロングレンジは、走行距離の割に価格が安い。

 乱暴な計算だが、価格÷航続可能距離、つまり1km走行当たりの価格は、テスラモデル3だけが1万円を下まわる。日本車はすべて1km当たり1万円以上だ。

 またテスラモデル3は動力性能も優れ、スタンダードプラスは停車状態から時速100kmに達するまでの所要時間が5.6秒、ロングレンジは4WDも効果を発揮して4.4秒だから加速性能も上まわる。

 その代わり割り切られたところも散見され、テスラモデル3には、いわゆるメーターパネルが装着されない。インパネの中央にワイドなモニター画面が備わり、この部分にカーナビの地図から速度までさまざまな情報を表示する。

 考え方と機能はパソコンやタブレット端末と同様で、1つの画面を使いながら、切り替えることによって機能の幅を広げている。内装の質も高い印象は受けない。

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