■いかに運転に余裕を生み出せるか
ここまで燃費を向上させるための物理的な「べき」「べからず」を書いてきたが、ドライバーの心得としては、基本的にいかに精神的なプレッシャーを遠ざけるかにかかってくると思っている。具体的に以下の項目を挙げた。
●長距離移動を伴うスケジュールに余裕をもたせる
リラックスして運転することがなにより大切。休憩をこまめにとるというのは長距離移動では大切だから、休憩時間を考慮したスケジュールを事前に立てておきたい。
●ガソリン満タン、満充電にしておく
単純に余分な停車時間は少なくなるから、当然ながら効率は上がるというものだ。ともかく、穏やかに走らせることを意識すれば燃費にも効いてくるのは間違いない。
最後を精神論で締めくくるのはいささか気が引けるとはいえ、重要な要素なのだから致し方ない。いうなれば、無理に意識することなく、自然と燃費が良くなる運転になるというのが理想に思えるのだが、いかがだろうか。
“燃費運転”について、JAFが推奨する運転マナーは基本的にはツボを抑えていることはよく知られている。ただし、たとえば街中での「ふんわりアクセルスタート」についてだが、要は程度の問題であり、周囲の交通状況を無視してまで燃費向上運転に固執して危険を増すようでは意味をなさない。
むろん、JAFのホームページではきちんと但し書きが用意され、「日本の交通事情では、青信号で一気に発進加速をしても、混雑や渋滞、赤信号ですぐに減速しなくてはならないことが多く、せっかく加速しても燃料のムダになります」(出典:JAF)としている。
その一方で「後続のクルマのストレスになったり、渋滞の原因を作るようなゆっくり発進はしないようにしましょう。他のクルマの燃費が悪化し、全体として地球環境に悪影響を与えてしまうことになります」(出典:JAF)とコメントしている。
以下にJAFのACC(アダプティブクルーズコントロール)についてのデータを抜粋。
「約400kmに及ぶ比較測定走行時にドライバーがアクセルペダルを踏んだ時間については、ACC使用時が1分6秒(総走行時間4時間31分)であったのに対し、ACC未使用時が4時間31分57秒(同4時間56分)と、ACCを使用するとドライバーのアクセル操作が圧倒的に少なくなりました。
ブレーキ操作回数も、ACC使用時の4回に対して、ACC未使用時は82回へと大幅に減少しています」(出典:JAF)。
逆に、EVを高速道などでアクセルペダル踏み込みっぱなしでハイペースを保てばみるみるうちに航続可能距離が減っていくから、車速を意識して、想定速度に達したら速度を維持することに専念したい。
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