■資本提携関係にあるトヨタ&スズキは企業風土が似ている
コロナ禍となり、接触を避ける意味からも業界ではリモート商談が注目されている。受注手順や、新規登録の手続きを根本的に変えずに導入されているので、結局は“接触する機会”が減るだけが現状なのだが、今後は今の若いひとが新車購入のメイン層になれば、有効なツールとなるだろう。
ただ、そのような時代がきても、気軽に店頭に来てもらったり、気軽に自宅や事務所を訪れることができる“お得意様”を多く持ち、膝と膝をつきあわすような商談をリモートでも積極的にできるような顧客を大切にしているトヨタやスズキ。
お互いの規模は異なるものの、他メーカーよりは安定した新車販売を展開していくことができるものと考えている。
トヨタは2020年5月にトヨタ系ディーラー全店での全車併売化という“”大なた“”をふるった。今後はディーラーや店舗の統廃合を進めていくだろう。販売現場が見えているからこそ、あえてコロナ禍に併売化を実施し、小売りベースでは絶好調といえる新車販売を見せた。
しかし、そのようなトヨタでも販売現場からは時おり、「販売現場の実状を理解しているのか」といった声が聞かれるようになっており、不安がまったくないわけではない。
スズキは今でもメーカーに入社した新入社員などを全国のディーラーに出向させている(ほかのメーカーもディーラーへの出向は行なっているが、趣旨が少々異なる)。つまり、メーカーとディーラーが非常に近い関係となっており、国内市場のトレンドなどを敏感にすくい上げることを可能としている。
トヨタとスズキはディーラーとメーカーの距離が近いということでは似ているように見える。そして、このような企業風土が似ているからこそ、いまではトヨタとスズキは資本提携関係にあるのかもしれない。
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