■日陰に駐車したからといって安心はできない!
温度上昇を避けるには、まずできるだけ日陰にクルマを停める習慣をつけることだ。
ファミレスの駐車場やコインパーキングなどは日陰がないところもあるが、なかには建物で日陰ができている場所があるのに、そこを選ばず、わざわざ日向に駐車するドライバーもいる。両隣をクルマに挟まれるのではなく、広々としたスペースに停めたい。
しかし、日陰に駐車したからといって安心はできない。日陰に駐車することで、車内温度の上昇は防げる効果はあるものの、車内温度が上昇することは間違いないので注意が必要だ。
それを裏付けるテストをJAFが行っているので紹介しておきたい。「日なたと日陰を車内温度、JAFユーザーテスト」(引用:JAF)では、外気温32.1℃~32.8℃の日中、車内温度を27℃に設定した2台のクルマを日なたと日陰に駐車し、車内温度がどのくらい違うのかテストを行っている。
テスト開始から20分後には、日なたが40℃、日陰が34℃に上昇、30分後には日なたが42℃、日陰が35℃となり、日陰でも外気温32℃を超えた。
そしてテスト開始から1時間後には日なたが43℃、日陰が36℃と7度の差があった。日陰といっても車内温度が高く、乳幼児やペットを車内に残すことは危険だということを頭に入れておきたい。
■熱くなった車内を手早く冷やすには
車内の熱気を追い出す方法の一つに、助手席のサイドウインドウを下げて、運転席側のドアを5、6回開閉させるという方法がある。車種によって効果に差はあるが、使える手ではある。
ただし、ドアの開閉には気を付けて行いたい。サイドウインドウを下げた状態でドアを強く閉めると、十分に換気できないだけでなく、パワーウインドウのスライドレールなどが傷んだり、ガラスが割れてしまう危険性がある。
また力任せに勢い良く閉めるのも、ガラス回りやキャッチ部分を傷めかねない。ある程度勢いを付ける必要があるが、だからといって力一杯ドアに力を込めたほうがいいという訳でもないのだ。
室温を早く下げたいなら、まずは車内の熱気を追い出して、冷房を作動させてエアコンダクト内も冷やして、冷風を吹き出させて室内を冷やすことだ。
この時も、日向に停めているよりは日陰で風通しの良い場所のほうがより効果的だが、日向でも作業手順は変わらない。
お勧めはエアコンを外気導入の冷房全開(最低温度でファンを最強に)にして、ドアを全て開け放つ。ラゲッジが一体ならリアゲートも開ける。
エアコンの冷風が十分冷えたら前席のドアを閉め、前席が冷えたら後席のドアを閉めて、リアゲートの開口部から熱気を追い出してやる。
そしてリアゲートも閉めて、エアコンを内気循環にして車内の空気を冷やしてやろう。室内が広いミニバンで3人以上の乗員が乗り込むなら、こうすると車内を早く冷やすことができる。
クルマの装備だけでなくカー用品を利用するのも効果が期待できる。例えば室内にスプレーすると室温を一気に下げてくれるスプレーがある。
これはアルコールや水分の気化熱を利用するもので、即効性はあるがエアコンが十分に効くまでは湿度が高くなってしまうこともある。
また可燃性のガスを使っているモノもあるので、使用時にはタバコやライターの火、アクセサリーソケットのプラグ抜き差しなどによるスパークなどで引火して爆発する危険性があるため注意しよう。
室内の空気を入れ替えて、エアコンダクトから冷たい風が吹き出してくるようになっても、すぐに乗り込むのは止めておいたほうがいい。というのも、室温は下がってもまだ熱を持っている部分はたくさんあるからだ。
特にシート表皮が熱いのが問題で、座ってしまうと熱くて不快なだけでなく、なかなか冷めないことにもなる。エアコンの冷風をシートに当てて、冷えてから座ったほうが快適だ。
すぐに冷やしたいなら、服にスプレーして身体を冷やすスプレーを応用するのも手だ。ただしこれも、可燃性のガスを使って噴射させているモノもあるので、換気と火気には十分気を付けて使うようにしたい。
コメント
コメントの使い方