自動車メーカーの子供向けバーチャル工場見学サイトが超おもしろい!

■トヨタ「クルマ教室」 これで君もクルマ博士!

「いろいろな場所で活やくするクルマ」「クルマっていつごろできたの?」「クルマってどうやってつくるの?」「クルマってどこでつくっているの?」「環境にやさしいクルマづくり」「人にやさしいクルマづくり」「SDGs、持続可能な社会の実現に向けて」「しつもんコーナー」など多彩なコンテンツを用意している(出典:トヨタ自動車)
「いろいろな場所で活やくするクルマ」「クルマっていつごろできたの?」「クルマってどうやってつくるの?」「クルマってどこでつくっているの?」「環境にやさしいクルマづくり」「人にやさしいクルマづくり」「SDGs、持続可能な社会の実現に向けて」「しつもんコーナー」など多彩なコンテンツを用意している(出典:トヨタ自動車)

TOYOTAクルマこどもサイト クルマ教室」

 「クルマこどもサイト クルマ教室」から「クルマってどうやってつくるの」、「クルマをつくる工場を見てみよう」に入り、「生産の様子を映像で見てみよう」で、先代のクラウンが完成するまでをコンパクトにまとめた3分37秒の動画が見られる。

 BGMが入ってしまうので、実際に工場ではどれぐらいの音が出ているかや、現場の緊張感はやや伝わりにくいが、世界最先端の水準の工場でクルマが作られていることははっきりわかる。カメラワークや編集も素晴らしい。

字幕や音声による解説はないものの、リアルな生産工程が見られる。写真は塗装工程(14代目クラウン)。(出典:トヨタ自動車)
字幕や音声による解説はないものの、リアルな生産工程が見られる。写真は塗装工程(14代目クラウン)。(出典:トヨタ自動車)

 一台一台受注生産で作られるクルマを、顧客の要求通りに正確に作るための「指示ビラ」や、ボタンが押されたらリーダーが駆けつけて生産上の問題を解決する「アンドン」、作業員の身体的負担を減らす「らくらくシート」を使った組み立て時の「カイゼン」などの例が、HP上にも丁寧に説明されたりして、トヨタならではの生産方式の工夫が分かるようになっている。

 「高品質なクルマを作るためには高品質な部品が欠かせず、協力会社と一緒になってクルマを作っています」というメッセージが繰り返されているところもトヨタらしさが感じられた。

 また、最新の安全装備や、体の不自由な人や高齢者向けの機能、SDGsやゼロエミッション化への取り組みの説明も子供でもわかるよう丁寧に書かれている。

 HPで得られる豆(?)知識も興味深いものが多かった。昨年一番多く作られたトヨタ車は何か?1台の車を作るのに平均でどれぐらいの時間がかかるのか?

 これらの答えを知りたくなったら、「クルマこどもサイト」のしつもんコーナーを見てみてほしい。個人的には、「機械やロボットだけでクルマをつくれるようになるのですか?」という質問に対して、「今後も、人がいない完全な自動車工場ができるとは考えられません」とはっきり答えているところにトヨタのモノづくりの哲学がにじみでているようで興味深かった。

 学校ではESGについての学習機会が最近増えているが、日本を代表する会社の生産現場の子供向けの動画に女性が一人も映らないのは、やや残念に感じられた。


おススメ度 ★★★★☆
臨場感   ★★★☆☆
情報量   ★★★★★

■スバル「バーチャル工場見学」

スバルの群馬製作所(矢島工場)の中をバーチャル見学できる(出典:スバル)
スバルの群馬製作所(矢島工場)の中をバーチャル見学できる(出典:スバル)

スバル「バーチャル工場見学ツアー」

 こちらは群馬県太田市にある矢島工場の内部に、Googleマップのストリートビューが突入していくような形式で見られるバーチャル工場見学。360度移動可能な視点で実際の工場見学コースを見て歩く。

 実際の工場見学と同様、実際の工場の大きさが体感できるという意味で素晴らしい試みだ。

 工場内部を、マウスを使って進んでいくと、ポイントポイントごとに説明があり、目印にマウスポインターをホバーオーバーすると動画画面が立ち上がって試聴したり、説明を読んだりすることができる。またクイズが出題されたりする。

 アーク溶接の説明動画で、機械動作時を知らせるものと思われるオルゴール音がアニメ「タッチ」の主題歌だった所が個人的にはツボ。ミッキーマウスのテーマなどはよく聞くが、まさか「タッチ」とは。

ストリートビューのようにクリックしながら進んでいく感じは実際に見学しているような感覚で素晴らしい。緑や青のボタンをクリックすると解説文(動画もあり)が出てくる(出典:スバル)
ストリートビューのようにクリックしながら進んでいく感じは実際に見学しているような感覚で素晴らしい。緑や青のボタンをクリックすると解説文(動画もあり)が出てくる(出典:スバル)
アーク溶接の工程。スポット溶接は天の溶接だがアーク溶接は線の溶接をする工程。鉄板をつなぎ合わせる構造上、部分的にアーク溶接を行うという。溶接作業時に強い火花が発生するため、作業者の目を保護する意味でオレンジ色のアクリル板で囲われ、ロボットがなかで作業をする(出典:スバル)
アーク溶接の工程。スポット溶接は天の溶接だがアーク溶接は線の溶接をする工程。鉄板をつなぎ合わせる構造上、部分的にアーク溶接を行うという。溶接作業時に強い火花が発生するため、作業者の目を保護する意味でオレンジ色のアクリル板で囲われ、ロボットがなかで作業をする(出典:スバル)

 ボディにエンジンを組み付ける作業を下から撮影している動画が良かった。作業がよくわかるカメラアングルと、現場の方の無駄のない動きが見もの。完成車のボディ表面に貼られる保護シールは4人がかりで丁寧な手作業で貼っていることにも驚かされた。

 説明のなかで「クルマの形にする工程はお見せできませんが」というコメントがあったが、やはり見てみたいのでちょっと残念。「危険で実際の見学はできないがバーチャルなら危険がないので臨場感のある映像が見られる」というバーチャルならではの見せ方があればいいと思った。

 女性の活躍の面ではインストルメーターパネルの取り付けでポニーテールの女性が登場。その前方にもおそらくもう一人女性がいらっしゃった気がする。


おススメ度 ★★★☆☆
臨場感   ★★★☆☆
情報量   ★★★☆☆

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