ディーラー以外では車検が受けられなくなる? 2024年10月1日より車検に加わるOBD検査とは!?

■専門店はディーラーに比べて割安なところが多い

専門店はディーラーに比べて割安というのを売りにしている部分もある。費用に応じてメニューを選べるところもあり、特定の車種に強いショップなどもある(naka@AdobeStock)
専門店はディーラーに比べて割安というのを売りにしている部分もある。費用に応じてメニューを選べるところもあり、特定の車種に強いショップなどもある(naka@AdobeStock)

 一方、街の整備工場や車検専門店などは、格安プラン(保安基準をクリアする最小限の点検と整備)から、ディーラー並に「予防整備」をしっかり行なうプランまで、費用に応じて3段階ぐらいのメニューを用意しているところが多い。

 基本的には、ディーラー車検に対し、『安さ』や『早さ』を売りにしている業者が多いので、比較的割安な価格設定となっている。

 交換する部品なども、ディーラーとは違い、純正同等の社外部品、いわゆる優良部品を使ったり、リビルド品を積極的に利用。さらにそうした部品代を値引きしてくれることもある。

 また、予防整備は最小限でも、「今回は交換しませんでしたが、このパーツとこのパーツは一年以内に交換してください」といったアドバイスがあったり、車検の見積もりのときに、今回一緒に交換するか、半年後、一年後に交換するか、と確認・相談してもらえるケースも少なくない。

 いずれにせよ、プロの目で点検してもらえたという安心感はある。さらに特定の車種に強い専門店であれば、ディーラー以上に心強い。

 そしてユーザー車検。ユーザー車検では、車検とセットになっている法定二十四ヶ月点検の項目は、基本的に自己責任。

 車検は2年に1度の本格的な点検の機会なので、業者に出す・出さないは別として、最低でも下記ののチェックが必要。

・タイヤの摩耗具合、ひび割れ、エアチェック
・エンジンオイルなどの油脂類の点検、交換
・ワイパーゴム
・エアフィルター
・ラジエターの冷却水
・ウインド・ウォッシャー液の補充
・バッテリー
・ブレーキパッド・ディスクの残量、ブレーキフルードの量と汚れ
・ベルト類の消耗

 なんだかんだいって、クルマは消耗品の塊なので、日頃からクルマのコンディションに気を配り、定期的に消耗部品を交換したり、メンテナンスをしたりしている人以外には、あまりユーザー車検はおすすめできない。

 また、自分で陸運支局を調べ、国土交通省のホームページから検査の予約をしなければならないし、検査当日も最低半日は時間をとられる(平日オンリー)。しかも、ユーザー車検の32%は不合格(要再検査)になるというデータもあるので、あまり安易に考えない方がいいだろう。

 金銭的な出費は一番低く抑えられるが、手間と時間はそれなりにかかり、点検整備が行き届かないというリスクもあるので、万人向きとは言い難い。

■OBD検査の導入により車検が受けられなくなる工場も

OBD(車載式故障診断装置)の接続ポート。OBD車検開始後は、専用スキャンツールを持っている工場以外では車検が受けられなくなる(gargantiopa@AdobeStock)
OBD(車載式故障診断装置)の接続ポート。OBD車検開始後は、専用スキャンツールを持っている工場以外では車検が受けられなくなる(gargantiopa@AdobeStock)

 そして、車検に関しては、もうひとつ重要な流れがある。それは、2024年10月1日より開始予定の「OBD検査」のこと。

 国土交通省の資料には、OBD検査の概要について、

 「衝突被害軽減ブレーキ等の自動運転技術については、近年、軽自動車を含む幅広い車両への搭載が進んでおります。これらの技術は、交通事故の防止に大きな効果が期待される一方、故障時には誤作動等により事故につながるおそれがあることから、使用時においても、確実に機能維持を図ることが重要です。

 このため、令和6年10月から、自動車の検査(車検)において、衝突被害軽減ブレーキ等の自動運転技術等に用いられる電子制御装置の目に見えない故障に対応するための電子的な検査を開始することとしております」と書かれている。

 OBDとは、On-Board Diagnosticsの略で、「車載式故障診断装置」のこと。OBD車検は、このOBDに専用のスキャンツールをつないで、ECUに記録された故障コードを読み取り、点検整備に活かすというもの。

 対象車は下記の通り。

 国産車…2021年10月1日以降の新型車が対象。2024年10月1日より検査開始
 輸入車…2022年10月1日以降の新型車が対象。2025年10月1日より検査開始

 このOBD車検が始まると、専用スキャンツールを持っているディーラーなどの工場以外では、対象車種の車検が受けられなくなってしまうことになる。

次ページは : ■電子部品が格段に多い現代のクルマは車検も複雑に

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