■燃費をよくする走り方
燃費を良くするための運転の基本は、エンジン車とハイブリッド車、それぞれ走行モードに関係なく、「エンジンを必要以上に回さない」「急なアクセル/ブレーキペダルの操作をしない」という2つの「べからず運転」が基本となる。
車間距離にゆとりをもって加減速の少ない運転も有効だ。車間距離が短くなると無駄な加減速の機会が多くなり、市街地では2%程度、郊外では6%程度も燃費が悪化する。
燃費の良い走り方を心がけるのも大事だが、ハイブリッド車が増えていることもあって、クルマによって燃費の良い走らせ方にも違いが現われてきた。
信号の間隔などによっても変わってくるが、発進時の最初のタイヤのひと転がりはブレーキペダルから足を放したクリープ状態で走らせ、その後ふんわりとアクセルを踏み込んで加速し、適度な加速で早めに巡航速度に達するようにしたい。ダラダラと加速を続けるのは、燃費には良くない。
2つ3つ先の歩行者信号などから信号の変わり目を先読みして、無駄な加速を抑えて早めにアクセルペダルから足を離すようにしてなるべく空走状態で走ろう。
ただし、ハイブリッド車であれば、減速時に回生充電をして発進加速をアシストするので、空走状態で走る区間を短めにしてブレーキペダルを軽く早めに踏むことを心がけるといい。
つまり回生ブレーキを積極的に使うことで燃費をよくする運転だ。ガソリン車のエンジンブレーキでは減速のみで速度(走行)エネルギーを捨てているのに対して、ブレーキペダルを踏んでブレーキ回生を利用しつつ、フットブレーキを使わずに減速することで電気エネルギーを得られるという、両面で燃費を向上させるうえで大きい。
ハイブリッド車で電費を稼ぐためには、アクセルオフでもハイブリッドはエネルギー回生を実施するので、全般的にアクセルペダル操作を控えめにすることには燃費向上に意味がある。
またエンジン車でもフューエルカット(惰性走行時に燃料噴射を低減する制御)などの燃費向上技術もあるので愛車にこの制御がついていれば積極的に使っていきたい。
■アイドリングストップ機能を切るべからず
「アイドリングストップ機構は煩わしい」というユーザーがいることは承知しているつもりだ。一般的にアイドリングストップの燃費向上代は約5%と言われ、後述するエアコン使用などで相殺されてしまうとかエンジンへの負荷が大きくなるとの意見もあるが、エンジンを停止している限り燃料は消費されないことは事実だから、ドライバーがこの不自由さをどう捉えるのかに委ねたい。
他方、アイドリングストップ車で、車検毎にバッテリーを新品にしているようなら、アイドリングストップキャンセラーを取り付けるのも賢い方法だ。燃費の向上にはつながらないが、高いバッテリー代の節約になる。
アイドリングストップもよほど長い信号待ちでなければ、燃費への恩恵は少ないし、バッテリーの寿命が短くなることを考えれば、長い信号待ちの時にだけ自分でアイドリングストップをさせたほうがいい。バッテリーの寿命を伸ばして、交換代を節約するには、月に1度バッテリーを充電器で補充電してやるのも効果的だ。
■エアコンの作動は控えめにしよう
エアコン作動は燃費に直結するので、よほどのことがないかぎり、エアコンの作動を控えたほうが燃費が改善する。冷房の時には16~18度は論外、よほどの酷暑でもないかぎりオートエアコンも25度設定が適正な温度設定といわれている。
エコの観点から、エアコンを付けず、窓を開け閉めでの室内温度の調整、着ている服の調整で燃費を少しでも伸ばす運転も心掛けたい。
■余計な荷物をクルマに積んだままにしない
忘れがちなのは、クルマを部屋代わり、倉庫代わりにして、余計な荷物を積んでおかないことだ。燃費にとって車重が軽ければ軽いほどよいというのは明らか。
ゴルフバッグ、重い工具箱、洗車道具、掃除機……、いま一度クルマのなかを整理して軽くしておこう。100kgの荷物を載せていると3%程度燃費が悪化するので、それをしっかり頭に入れておこう。
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