■ディーゼルはちょい乗りに向かない
一般的に、「日常の足としてならばガソリンエンジン車、100kmの長距離移動がメインならばディーゼルエンジン車」といわれていますが、これは本当にそう。その理由は、ディーゼルエンジン車特有の構造、排出ガス浄化装置(DPF)にあります。
最近のクリーンディーゼル車には、DPF(ディーゼル・パティキュレート・フィルター)と呼ぶ、排出ガスに含まれる粒子状の物質(主にスス)をキャッチして、燃焼して無害化するという機構が入っています。
ですが、ちょい乗りをくり返していると、この燃焼除去が間に合わなくなります。DPFが働くにはススを燃焼させるだけの温度が必要だからです。DPFが機能しなければ、DPF内にススが詰まってしまい、エンジンの調子が悪くなります。
日本車メーカーで乗用車のディーゼルエンジン車に力を入れているマツダ車は、「通常走行中はDPFで捕集されたPMは自動で除去されますが、次のような時はPMが自動で除去されません」と、説明書に明記しています。
・車速約15km/h以下の走行を続けている時
・10分以下の短時間走行の繰り返しなど、エンジンが暖機できない走行を繰り返した時
・長時間アイドリング状態の時
参考:「ディーゼル車とガソリン車では寿命が違う?その理由とは?」
ちなみに、メーター内にDPF警告などのマークが出てしまった場合、ディーラーや整備工場などへ入庫し、診断機による「DPF再生作業」が必要となります。内部に溜まったススに燃料を吹き付けて燃やす方法や、一度DPFを切断して内部のフィルターを洗浄液で洗い流すといった方法がありますが、費用は5万~10万円程度かかるようです。
DPF全交換は約15万円するようですので、それよりは安く仕上がりますが、ガソリンエンジン車にはない出費が発生する可能性があるとは、ディーゼル車乗りは承知しておかないとなりません。
■「ちょい乗り」に最も向いているのは、バッテリーEV
やはり、ちょい乗りが多くなる街乗りメインであるならば、ガソリン車もしくは、ガソリンハイブリッド車がおすすめ。ガソリンハイブリッド車の場合、ECUがスタート時のクルマの状況を判断し、エンジンが冷えている場合には、エンジン始動を自動的に行って暖機するので、ドライバーは何の気も遣わずに使用できます。
ちなみに、最も向いているのはバッテリーEV。冬場に暖房を利かせるとバッテリー消費が激しいことを除けば、何の気も使わずに利用できます。「充電する」というカーライフに慣れさえすれば、バッテリーEVは、ちょい乗りメインのほうの「答え」でしょう。
とはいえ、そんなバッテリーEVも、サスペンションなどの足回りに使っているブッシュやタイヤ、モーターマウントといったゴム部品など、定期的に動かしてあげることで、クルマのコンディションを維持することができます。普段は近所の買い物にしかクルマを使わない方も、週に一度は、愛車でドライブに出かけるようにしてください。
【画像ギャラリー】「ちょい乗り」と「クリーンディーゼル車」の注意点を写真でまとめてチェックしよう!!(6枚)画像ギャラリー
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