■FD3S型RX-7オーナーの修理代および維持費とは?
では、FD3S型RX-7オーナーが実際に払っている維持費および故障箇所について。
以前「Bestcar Classic オーナーズボイス」で取材させていただいた個体(1995年式 マツダ アンフィニ RX-7 typeRS/走行距離約14万5千キロ/ノーマル)を例に挙げると・・・。
大まかな年間の維持費(自動車税、オイル関係、ガソリン代などを含めた概算)
・自動車税:45,000円
・オイル:年間4回/7,000円x4(3000kmごとに1回)
・プラグ:年間2回/6,000円x2(6000kmごとに1回)
・クーラント交換:年間1回(7,000円程度)
・任意保険:月に3,000円x12(30歳以上、車両保険なし)
・ガソリン:月に15,000円程度x12
・車検:2年に1回(90,000円程度)。1年で45,000円
・トータルで、年間で30万〜40万円くらい
主な故障箇所一覧
・エキセントリックシャフト(クランクシャフト)からのオイル漏れによるエンジンおよびミッション下ろし
・インマニのガスケット(4型以前は紙製)が破れたことによるエンジンを下ろし
・エンジン内のゴムホース類をすべて交換
・ノックセンサーが熱で溶けた
・吸気温センサーの断線
・ECUのコンデンサーがパンクしてECU自体を交換
・念のためスロットルセンサーを新品に交換
・ドアノブが破損しましたので交換
・ACV・チェックバルブがひどく汚れていたので洗浄
・エンジンブロー:こまめにメンテナンスをしていたのに・・・
こまめなメンテナンスはもちろんのこと、ノーマルの状態をキープしていたとしても、経年劣化によるエンジンブローは避けられないということなのだろう。
■FD3S型RX-7と同じ時代を走った国産スポーツモデルの維持費は?
では、FD3S型RX-7と走った国産スポーツモデルの定番トラブルや維持費はどうなのだろうか。5車種を例に挙げ、下記にまとめてみた。
カローラレビン/スプリンタートレノ(AE86)
●純正部品入手困難度:★★★☆☆
●金銭面での維持の大変度:★★★☆☆
いわゆるハチロクの定番のトラブルといえば、ステアリングラックブーツ交換(2万〜)、トランスミッションオイル漏れ修理(5万〜)、ブレーキキャリパーオーバーホール(6万〜)などが挙げられる。
昨年11月に「GRヘリテージパーツプロジェクト」として少しずつ純正部品の復刻が行われているのは朗報だろう。
とはいえ、ハチロク自体のさらなる価格高騰に呼応して、純正および一部の絶版アフターパーツの争奪戦がさらに激化している。
スカイラインGT-R(R32)
●純正部品入手困難度:★★☆☆☆
●維持の大変度:★★★★☆
R32型スカイラインGT-Rの定番のトラブルといえば、パワステオイルの漏れ(5万円〜)やドライブシャフトブーツの破れ(3万円〜)、エアコンのコンプレッサーの故障(10万円〜)などが挙げられる。
「NISMO Heritage Parts」の対象車種であり、出費を厭わなければ純正部品を入手できる確率は、旧車およびネオクラシックカーのなかでは高い部類に入る。
安い中古車を手に入れてチューニングカーベースに・・・といった時代ではなくなってしまった感がある。
シルビア(S13)
●純正部品入手困難度:★★★★☆
●維持の大変度:★★★☆☆
S13型シルビアの定番のトラブルといえば、エアコンのコンプレッサーの故障(10万円〜)、燃料ポンプの故障(11万円〜)、ウィンドウレギュレーターの故障(2万円〜)などが挙げられる。
S13型シルビアは、ここ10年ほどで急激に数を減らした感がある。淘汰された分、2ケタナンバーのワンオーナーカーと思しき個体が目に留まるようになった。
その分、部品取り車やヤフオクをはじめとするネットオークションを主戦場にして部品を手に入れるわけだが、こちらもモノによっては争奪戦になりがちだ。
CR-X(EF7/8)
●純正部品入手困難度:★★★★★
●維持の大変度:★★★★☆
サイバースポーツCR-Xの定番のトラブルといえば、オイル漏れ(10万円〜)、オルタネーターの故障(7万円〜)、エアコンのコンプレッサー(20万円〜)などが挙げられる。
ホンダ車は専用部品が多く、すでに新品部品の入手はかなり困難。ヤフオクなどのネットオークションで出品された部品を仲間内で「共食い」しているケースも少なくない。
eBayでも売られてはいるが、送料を含める割高になりがちだ。現時点でサイバースポーツCR-Xを手に入れるとしたら相応の覚悟が必要だろう。
ユーノスロードスター(NA)
●純正部品入手困難度:★★☆☆☆
●維持の大変度:★★☆☆☆
ユーノスロードスターの定番のトラブルといえば、エンジンヘットカバーのオイル漏れ(4万円〜)、ラジエーターの劣化(7万円〜)、幌の劣化(15万円〜)などが挙げられる。
ネオクラシックカーとしては街中で見かける頻度の高く、メーカーがレストアサービスおよび現時点で約170点におよぶ純正部品の復刻など、まだまだ現役のクルマといえるかもしれない。
スペシャルショップも日本各地に点在するだけに、上記の他のモデルよりはイバラの道ではないといえる(それでも古いクルマなりのトラブルに対する覚悟は必要だが)。
上記5モデルについてまとめると、そのモデル固有のトラブルに加えて、FD3S型RX-7と同様に経年劣化による故障が目立つ。
いずれも生産されてから30年前後というモデルばかりだ。チューニングする予算があったら、その分をリフレッシュにまわすのが懸命といえるかもしれない。
コメント
コメントの使い方