クルマのトラブルやメンテナンスで、本当にこれで大丈夫なんだろうか? 間違ってないんだろうか? と迷うことありませんか? 今時のクルマは壊れにくく、あるいは多少何かあっても何とかなるさという油断や過信もどこかにあるかもしれないですよね。
今回は冬によく起こるクルマトラブルの正しい対処法をクルマメンテナンスに詳しいモータージャーナリストの鈴木伸一氏が解説する。
文/鈴木伸一
写真/Adobe Stock、日産自動車
■Question:バッテリーは2年が寿命、2年過ぎたら交換→Answer:×そうとは限らない、兆候から判断する
近年の市販バッテリーには2~3年の保証期間が設けられている。この保証期間、メーカーが製品の機能や品質を保証する期間であって、必ずしも2~3年で使えなくなるということではない。バッテリーの寿命はクルマの乗り方や使用方法、タイプによって違ってくるからだ。
例えば、新車から1回目の車検(初回車検)が3年に延長される以前の車載バッテリーは、車検の有効期間の2年間を過ぎると目に見えて性能が低下した。が、3年に延長されて以降、徐々に耐久性が向上。平成モデル以降ではライトの付けっぱなし等で上げるなどの凡ミスを犯さない限り3年は余裕で、使用状況によっては5年くらい使うことができる。
このため、一般的なクルマであれば2~5年が寿命の目安で、ハイブリッド車であれば4~5年は使うことができる。
問題となるのは停車時にエンジン停止と再始動が繰り返される、バッテリーへの負担が大きい「アイドリングストップ搭載車」。このタイプの場合、バッテリーメーカーの保証期間も1年半と短く、実質的な寿命の目安も2年前後、もって3年と短くなる。
また、一般的なクルマでも夜間走行が主体だったり、月に数回走らせる程度でチョイ乗り(1回に走る距離が少ない)主体といった充電量(エンジン回転中は充電されている)より消費量が勝るなど、バッテリーへの負担が大きくなる使い方をしていたら寿命は短くなる。
特に、3年以上使用したバッテリー(電解液を入れた時点から劣化は始まるため、使おうが使わないに関係なく)はバッテリー上がりを起こしやすくなっているため注意が必要で、起電力の弱まる冬場は要注意だ。
もしも、エンジン始動時にセルの回りが弱々しかったり、息をつくよう症状が現れたら充電量が低下している証拠。補充電が必要な状況にある。
数十分走った程度では電気を補充しきれないので、そのまま利用するならGSや整備工場にバッテリーの補充電を依頼したい。それと同時に「バッテリーテスター」によるコンディションチェックも依頼することをお勧めする。
バッテリーのコンディションはバッテリー上面に設置されたインジケーターでもある程度判断できるが、これはあくまで目安。実質的な容量や内部抵抗の増大(電気が流れにくくなる)といった劣化の進行具合を判断することはできないからだ。そして、もしも「要交換」という判定がでたなら、迷うことなく交換を!
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