重大事故につながっているのが、横断歩道での一時停止無視。警察庁の発表した統計によると、平成29年から令和3年までの過去5年間において、自動車と歩行者が衝突した交通死亡事故のうちの7割歩行者が横断中の事故だという。
そして長らく問題になっているのが、信号機のない横断歩道で歩行者がいるにも関わらず、一時停止をしないクルマが多いことだ。2021年10月18日にJAFが発表した「信号機のない横断歩道での歩行者横断時におけるクルマの一時停止状況全国調査」の2021年調査結果においても、横断歩道を渡ろうとしている歩行者がいる時に一時停止したクルマの割合は全国平均で30.6%という低水準! これはゆゆしき事態!!
「えーっ」と驚いているアナタも、もしかしたら一時停止をしなくてはいけない場所をスルーしてしまっているかもしれない。一時停止は重大事故につながる違反行為。決して軽微なものではないのだ。そこで今回は、一時停止しなくてはならない時と場合についておさらいしてみよう。
文/藤原鉄二、写真/写真AC
【画像ギャラリー】一時停止を軽視してはいませんか?(9枚)画像ギャラリー停止線の位置はマージンがとられている
そもそも一時停止は安全確認のためだけではなく安全確保のための行為。停止線が横断歩道のかなり手前に引いてあるのは安全確保のため。不測の事態が発生することを想定して、ゆとりのある距離に停止線は引かれているのだ。ということで、停止線手前で止まれば安全は確保できるが、逆に、超えてしまうと出合い頭の事故などに遭遇するリスクが高くなるということだ。
たとえば、裏路地などで引かれている停止線の位置を思い起こしてほしい。左右から走ってくるクルマを目視で確認できる位置よりはかなり手前に引かれているはずだ。つまり、停止線では問答無用で止まれば左右のクルマと出会い頭に事故を起こしたりするリスクはほぼないということだ。
たまに停止線を無視してゆるゆるとクルマを前進させ、身を乗り出して左右を確認しようとドライバーを見かけるが、これは危険極まりない行為。目視ができる位置まで車両を前進させると、万一、至近距離にクルマが迫っていた場合には接触事故を起こす恐れがあるからだ。こういった場所ではミラーが設置されているので、必ず停止線手前で止まり、クルマが接近していないかはミラーで確認するようにしよう。
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