ここ数年、夏の天気変化が目まぐるしい。雷や夕立などは夏の天候の代表的な変化だが、これに加えて最近では、全国各地で雹(ひょう)が降っている。
例年になく短い梅雨が明け、日本列島は夏本番となっているが、数日おきに雹が降ったというニュースが耳に入り、異常な天候を誰しもが感じているところではないだろうか。
氷の塊が降り注いでくる雹。これによる自動車への被害は数多く報告されている。そこで本稿では、雹の被害にあったらどうするべきなのかを解説しながら、クルマの保有が多い自動車ディーラーで同様の被害があった場合、どのような手段を取るのかを紹介していきたい。
文/佐々木 亘、写真/AdobeStock(トップ画像=New Africa@AdobeStock)
■個人が雹の被害に遭ったらどうなるのか?
雹が全国あちらこちらで降り、傷つき凹んだクルマが増えている。雹が観測されてから数日後、筆者が自動車ディーラーへ取材に行くと、被害に遭ったとみられるクルマが数多く入庫していた。
そのなかには、納車されたばかりであろう新型車の姿も見えた。オーナーに話を伺うことができたのだが、納車からわずか1カ月のことだったという。ボンネットからルーフにかけて、凹みが数十か所に及んでおり、ガラスなどにも被害が及んでいた。修理費用は150万円を超えるという。
幸いにも自動車保険に車両保険をセットしており、新価特約を使い新車に入れ替えるということだった。ただし、新車の納期はしばらく先になるため、その間、代わりのクルマをどうするか、保険会社と協議しているという。
雹によるクルマの被害には、車両保険が利用できる。雹は天災や風災というよりも、落下・飛来物として対応されるケースが多い。一般条件はもちろん、車対車+Aといったエコノミー型の車両保険でも、補償の対象になる。(細かな補償条件は契約内容によって異なるため、契約する保険会社へ確認して欲しい)。
雹の被害で自動車保険の補償を受けた場合には、翌年度に保険等級がひとつ下がる。また、次の契約更新時には事故あり係数が1年加算され、保険料が値上がりすることを覚えておきたい。
ディーラー営業マンに話を聞くと、損害の度合いや保険契約の内容によっては、修理をせずに被害に遭ったクルマを下取りに入れ、新しいクルマを購入することを薦めることもあるようだ。
これまで雹の被害などほとんど聞いたことがなかった地域でも、今年は数多くの相談が入っているというから、天気の変化には充分に注意したい。
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