■全身黒づくめはメルセデスベンツ、BMWが多い?
そもそも”全身黒づくめ”のルーツはどこにあるのだろうか? 古くは、10年ほど前だろうか。ランボルギーニやフェラーリ、ゲレンデヴァーゲン、ジープラングラーにマットブラックのカーラッピングが流行したことが始まりと思われる。
メーカー純正としては、3~4年前頃からメルセデスベンツ&メルセデスAMG、BMWが全身黒づくめの限定車を出してきた。例えば2019年に登場したAMG G63のエディションマットブラック、2020年8月にはGLC 220d 4MATIC特別仕様車としてアブティシアンブラックの「ナイトエディション」を発売、そのほかにもAMG GTのナイトエディションなどマットブラックの限定車を多くリリースしてきている。
いっぽうBMWは“ブラックエディション”や“ピュアブラック”、“ブラックアウト”の名を与えたブラック仕様の特別仕様車を登場させることを見ても、ブラックの特別仕様車を販促素材として巧みに活用していることがわかる。
サファイアブラックのボディカラーにハイグロスブラック仕上げのキドニーグリル/バーやブラッククローム仕上げのテールパイプを与えたBMW118dピュアブラックや内外観を漆黒で統一した限定車「8シリーズフローズンブラックエディション」を発売。
ナノレベルの超微細なカーボン素材で覆われた「ベンタブラック」と呼ばれる、まさしくスペシャル素材で仕立てられたBMW X6は、2019年9月のフランクフルトショーで披露された。
このモデルに施されたベンタブラックコーティングは、世界で最も黒く、可視光の99%以上を吸収し、ほとんどすべての反射を除去するとされ、ボディ表面は、人間の目には明確な特徴を失い、2次元に見えるとされ、まさに吸い込まれるような“漆黒”に仕上げられていた。
今年7月には、そのBMW X6を超える「世界一黒い塗料」を使用して、ポルシェ911の全塗装を施工(岐阜県岐阜市のピットワン)したことが話題になった。この「真・黒色無双」はX6に使用されたVantablack VBx2(全反射率1%)よりもさらに全反射率が低い(全反射率0.6%)という。
全身黒づくめといえば、1980年代のハウスマヌカンやDCブランドブームを思い起こされるが、現代のファッションにおいても黒づくめは最先端であるようだ。
ストリートファッションの巨匠として世界的に知られる藤原ヒロシ氏が、2021年6月、マセラティとコラボした限定車「ギブリフラグメント」を発売した。
このギブリフラグメントを手がけた藤原ヒロシ氏はデザイン集団「Fragment Design」を主宰し、世界のさまざまなブランドやアーティストとコラボレーションしてヒット作を生み出しているのでご存知の方もいるだろう。
黒(オペラネラ)と白(オペラビアンカ)の両モデルが用意され、全世界で175台、日本ではオペラネラが36台、オペラビアンカが4台販売となった。
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