1990年代から2000年代初期に販売された日本のスポーツカーの中古価格が爆上がり中で、落ち着く気配がない。
中古車価格は需要と供給で変動するといっても、ちょっと前まで100万円前後だったクルマが今では1000万円クラスに高騰しているのは、クルマ好きにとって由々しき問題だ。
※本稿は2022年12月のものです
文/萩原文博、写真/ベストカー編集部 ほか
初出/ベストカー2023年1月26日号
■この高騰っぷりはさすがに異常事態だ!
かつて国産中古車の価格が高騰しているというと、トヨタ2000GTやハコスカ、ケンメリと呼ばれる1960〜1970年代に製造されたモデルが中心だった。
しかし、最近では国産車のヴィンテージイヤーと言われている1989年以降、1990年代に販売された国産スポーツカーまで大幅に値上がり。
自分もかつて所有していたR32型スカイラインGT-Rも10年前は平均価格が約140万円で、最安値はなんと19万円だったのだ。初代NSXにしても平均価格が約457万円で、最安値は235万円だった。
中古車マーケットのグローバル化や北米の25年ルールという値上がり要因はあるが、中古車の平均価格は、R32スカイラインGT-Rが約4.8倍、初代NSXが約2.5倍になってしまっている。
本来は、価格が安くなり新車で手の届かなかった人が、手軽に乗れるのが中古車のメリットだったのだが、1990年代の国産スポーツカーもヴィンテージとなり、もはや手が届かない存在となってしまったところはおおいに腹立たしい。
■このままでは海外流出がますます増える!?
中古車価格高騰の解決策は、不買運動を起こすしかないだろう。
定価のない中古車は需要と供給のバランスで価格が決まるので現在のプライスで、購入者がいなければ販売店は値下げせざるをえない。
しかし1990年代の国産スポーツカーは、JDMブームに乗って海外でも人気が高く、円安の効果もあって海外のバイヤーが買い、海を渡ってしまう可能性が高い。現状、効果的な解決策はないので、超円高に期待するしかない。
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コメント
コメントの使い方そりゃ30年も経てばクラシックカーだし高くなって当たり前。修繕費もかかるぶん値段に上乗せするし数は減るのに需要は上がるし、歴史的遺産と化したわけで。昔のマスタングやインパラを誰もゴミと言わないでしょう?日本車も今やただの安い車じゃないんですよ。熟成ワインと一緒。もう缶チューハイじゃない。ただのポンコツと思うならオッサンの古い価値観ですよ。下手に安くして頭悪い輩に乱暴に履き潰されるよりマシです。